前回思わせ振りな引っ張り方をしたのだが忘れて欲しい。プレイを続けていく内に、その事件とやらが如何に些末な問題か気付くに至った。

軽く触れておこう。街を探索していると、女性のヒステリックな叫び声が聴こえてきた。「助けて欲しい人がいるの!こっちに早く!」前回の流れから良き友人を作る機会だと思って意気揚々と駆けていった結果がまぁ、見事に嵌められましたと。
まぁ皆殺しにして略奪すれば弾薬の足しにもなり、悪い気持ちでも無く。

大きく書こうと思ったのだが、残念ながらこのゲームでは日常とも言える一コマである。
今となっては恥ずかしい。むざむざ撃たれる背中を見せた方がアホなのだから。

私は殲滅と略奪の中に居る。
もう寂しくも無い。私の隣には、かつてゴブリンと呼んでいた友が居る。
緑色の肌の、優に私の2倍はあるだろう大男。大きく盛り上がったその筋肉。彼の属する種族、スーパーミュータント達に何度殺された事か。しかし彼だけは私の頼もしい味方だ。
いやまぁ、価値観の相違で距離を感じる事もあったが、最近仲良くなりつつある。

さて、それまでに色々な事があった。
街を探索する内に、ダイアモンドシティたる居住区を見付け、交流の機会を得、もう定住するつもりでさえいたのだが。
ある時街の手伝いをするつもりで不良者の共同体の破壊に遠方まで赴いたのがここに至るまでの切っ掛けだ。

ちなみに貼り紙にその依頼が書いてあったのだが、要約すると

『レイダー(略奪団)がたむろしている場所があり、最近は大変活動的になっている。彼らが持っている潤沢な財産や貴重な物資、それらは誰かから略奪したモノであり、彼らを殺して奪う事は罪には問われない…』

どんな戦いが起こったかまでは覚えていないが、印象が薄い辺り難しい戦闘では無かった筈だ。

その後に、ゴブリンみたいな奴…、スーパーミュータントと初めて争う事になった。彼らはとんでもなく強靭なので、かなりの弾薬を使った覚えがある。ロスも大きかったが、そいつから奪い取った角材の破壊力はそれを考慮しても余りある強さだった。

私が街中の公園を散策している時であった。池を横切ると、突如水中から飛び出てきた奴。先のスーパーミュータントよりも一回りでかい化物が迫ってきたのだ。

必死に逃げた、逃げて、口の狭い地下鉄に伸びる階段に逃げ込んだ。ここなら入って来れないだろうと考えたからだ。足音とレーダーが迫り…。姿が見えた。
彼は狭い入り口に見事につっかえていた。

実を言えばこのゲーム、AIが余りよろしくなく、この手のハメは珍しくない。
入れない入口に駆け続けている彼。危うく袋小路の計画性の無さであったが、しめた!と思わずには居られない。

相当終盤に闘うべき敵だ。つまりは相当の報酬があっておかしくない。しかもこの状態なら倒せるかもしれない…との見通し甘く、携行した銃器はミリ単位でしか削れない。
ならばと持ち替えたのがさっき略奪した大振りの角材。時折反撃を貰うリスクを背負いながら、入り口から覗く下半身に角材を振り続けた。そこそこ威力のある近接攻撃だが、数十分殴り続けても彼は中々倒れず。それでも何とか削り切ると、フィスト、と言う武器をドロップ。これが強い、角材よりも遥かに強力な相当な見返りであった。

これはスプリング付きメリケンの様な構造で、握ると同時に尖った金属部が勢い良く伸びる、そんな武器。

早速入れ換えておく。
ちなみにこの時御免となった角材、強化されてはいるが今では仲間の彼に持たせている。彼の兄弟を撃ち破った武器を継承するなんて何だかロマンチック。

本来は序盤に手に入れるべき武器では無いはずで、私は余りある力を手に入れてしまった訳であった。

ここからプレイが狂っていった。全ての物事は拳で解決…

つづきます




スーパーミュータント、スティッチの悪役みたいだなぁ