ガキキは診察室へと吸い込まれて行った。
「もしかしたら帰ってこないかもしれない」と
不安になり、受付の人に「いつ戻りますか?」って聞いたワタシの表情はきっと鬼気迫るものだったに違いない。
待っていた時間は長かったのか短かったのか、
もう思い出せない。
でも、戻ってきたガキキの顔がちょっと歪んで見えたことは、覚えている。
名前を呼ばれるまでの間、お互いに話さなかった。
「なんて言われた?」の一声は発したらいけないと思った。
だいぶ待たされた後、ワタシだけ呼ばれた。
もう、「更年期障害と酒の呑みすぎ」ということではないことはわかっていた。
でも、何を言われるのかは見当もつかなかった。
ただぼんやり「何かの烙印を押されるんだろうな」という、掴みきれない何かを頭の中で必死にさがしながら思い、重い腰をあげて、診察室への一歩を踏み出した。
ガキキは何かに堪えるように、
背中をこちらに向けていた。
*③へ続く。