忘れてしまいそうなのでサラっと書いたBBS内容をそっくりそのまま覚え書き。
第20回RO-ON 市川狂言の夕べ9/27(木)開演18:30
市川文化会館 小ホール
【番組表】敬称略
解説 高野和憲
「長光」
すっぱ 野村万之介
田舎者 深田博治
目 代 月崎晴夫
後見 野村良乍
「鐘の音」
太郎冠者 野村萬斎
主 野村万之介
後見 岡 聡史
「首引」
親 鬼 石田幸雄
鎮西八郎為朝 竹山悠樹
姫 鬼 高野和憲
眷 族 月崎晴夫
〃 野村萬斎
〃 深田博治
〃 岡聡史
後見 野村良乍
帰って来ました。
今夜はとても心満たされるような公演でした。
とはいえ、当然狂言なので「泣ける、感動的クライマックス」が待っているわけではないのですが、なぜでしょう(笑)
狂言のほっこりとした良さが心持を温かにしてくれることに改めて気付かされた、という感じ。
・・・なんてマトモなコメントなんでしょう(笑)←それ普通だから
ノッている時なのでブログを更新するなら今なのですが時期、我が家の主が戻ってくるので、身供は太郎冠者に変身してお食事を出さねばならないのが残念~・・・
今日は上記の番組表のとおり3曲、バラエティに富んだ演目でした。
1番目はすっぱ物「長光」
長光とは、すっぱが盗みを働く名刀の名前のこと。
万之介さんのすっぱはやっぱり最高で、"心直ぐにないもの"と名乗っている割にはとっても愛らしく、終始笑顔が絶えない楽しさ。
2番目は王道の太郎冠者物「鐘の音」
プライス(値)とサウンド(音)を勘違いするという取り違え物。
萬斎さんは、今日は湿気の多いせいか髪の毛のトップがちょこっと膨らんでましたが、相変わらず長めで、後ろは陰陽師Ⅱ時代を思わせるウェービー。熱演の最中、ちょっと前髪が目にかかっていましたが相変わらず素敵ですねぇ。
鎌倉まで行って鐘を突きまくり音を聴いて帰ったのに主人に怒られ、ややフテ気味になる後半。それでもふと我が身を振り返ると勘違いの間抜け加減に情けなくなる。反省した太郎冠者は楽しいことが大好きな主人にご機嫌を直してもらおうと道中の土産話を小謡にして舞います。
最後はそんな太郎冠者を許し元の主従の関係に戻ってめでたし、というお話ですね。
実はクライマックス、私知らなかったので追い込まれて終わりなのかと思っていましたがこういう締めくくりだったんですね。
フテくされる太郎冠者もみなさんご想像できるとおり可愛いんですが、反省して小謡を謡い舞う太郎冠者も健気でいいんですよ。
主人の気性を知っているからこそ、ですよね。
3番目は鬼物の「首引」
これもまた親バカ極まりない親鬼とラブリーな姫鬼。石田さん扮する親鬼と高野さんの姫鬼のやり取りがすーっごく微笑ましくて、鬼らしさといえば風体だけ。道を歩いてくる人間を取って食らおうとするのは百鬼夜行そのものの世界なのですが、おどろおどろしさや闇の世界は現れず、あくまで狂言らしい曲ですね。