数日探していたしゃもじが、テレビ台の後ろにあった。これで犯人は娘と確定。


その他、娘の短パンやチラシなども一緒に押し込められていた。


あーあ、とそれらを片づけながら、実家で以前飼っていた犬「ケン」の事を思い出した。


ケンは実家の近所をふらついてた野良犬の小犬だった。


母親がケンが近所の家に迷い込んで、石を投げられて追い払われているのをみて「可哀想」と拾ってきたのだ。


最初はおびえていたケンだったが、犬好きの両親と三人の子供に可愛がられて次第になついてくれた。


私には最後まであまりなつかなかったが、よく面倒をみてくれる母の事はとりわけ好きで、私と母が仲良くしているとやきもちを焼かれてよく吠えられたりしたものだ。


実家が大好きだったケンだけど、たまに脱走をするチャンスがあると、もうしわけなさそうな顔で後ろを振り向きながら猛ダッシュで脱走して、帰ってきた後母によく怒られていた。


そんなケンも10年後、死んでしまった。悲しみがやっとひと段落した頃、ソファの掃除をしていて、敷いていたクッションを椅子から外した際、ケンにあげたお菓子、その他彼女が収集していたであろうガラクタの数々が下からでてきた。


そういえばケンはお菓子をあげてもその場で食べていなかった。野良犬だった習性なのだろうか、大切にクッションの下に隠しておいたのだ。


私にはただのガラクタにしか見えなかったが、彼女が一生懸命集めた大事な大事な宝物だったのだろうなぁ。


思い出すだけでもまた涙がでてしまう。


実家は今は柴犬を飼っているが、その犬はもらわれてきた犬で、脱走はする気ないし、お菓子をあげてもその場でぺろっと食べてしまう、のんきな子だ。



My life as a mother


そういった姿を目にすると、同じ犬でも生まれた境遇で違った性質をもつのだなぁと改めて思う。人間の子供は言わすもがなだな、と少し気が引き締まる思いがした。