みなさん、こんばんは。
今日はジュエラーとしてのコラムをちょっと。
先日母のお友達のお宅に伺いました。
お母様から譲られたジュエリーをリフォームしたいというご要望でしたので。
「オシリスの小部屋」では少し触れましたが、十何年生きているというヒヨドリをお世話しているあのご婦人です。
飼っているニャンコが捕まえてきたヒヨドリで片ウイングを失ってしまったので、役所の方に相談して面倒をみることとなってから十数年。
ヒヨドリの寿命は2、3年ということなのに、あまりに居心地良すぎで十数年生きているヒヨちゃんなんです。
優しいご婦人というのがよくわかりますでしょ。
拝見したジュエリーはどれもこだわりのものばかりでした。
おじい様の翡翠のカフスボタンを加工したペンダント、ご友人が作られた七宝焼きのメダイヨン。
そして今回枠を変えることになったのはお母さまの形見であるラウンドマルチカットのアメシストでした。
このご婦人は以前ダイヤモンドのリフォームを百貨店に依頼したことがあったそうです。
そこであまりよい印象を持たれなかったのですね。
ジュエリーを預けて、デザイン提案を聞こうと足を運んだら、デザイン画がたった一枚だったとか。
私はここでお客様の気持ちというのを考えました。
百貨店ってやはり敷居が高く、オーダーなんてしようものならふっかけられるんじゃないかとドッキドキですよねぇ。
たった一枚のデザイン画をもって、店頭で「どうなさいます?」なんて聞かれたらなかなか断る勇気もないでしょう。
ご婦人は嫌だなぁ、と思いつつオーダーをお願いしてしまったようです。
今回私はリングをお預かりしてからお好みの傾向を伺い、サンプルのリング5型を持参しました。
もちろん私がデザインを描いてもいいのですが、在り型のほうが原型製作の費用が掛からない分、コストが削減できますし、まずイメージが湧かないとどんなデザインにしたいのかも浮かびませんでしょう。
私はもう一度足を運ぶつもりでのセッションだったのですが、持参した5型の中に気に入ったデザインがあったようで、即決でした。
それからは上記の過去のお話を聞いたり、お茶を飲みながらおしゃべりしてたんですが、やはり懐かしそうにお母さまの指輪のお話などを聞きますとジュエリーというものはただの物ではないなぁ、歴史を刻むものなのだなぁ、としみじみと感じました。
明日もちょっとこのお話の続きを・・・。