初めて就職したのは静岡県の小学校内の特別支援学級でした。担当したのは重複障害(肢体不自由、知的・情緒障害)の子どもたち。


 そこで出会ったのが9歳まで発語がないと言われていたT君です。


 T君のお母さんはT君が入学する前、教育機関に「お子さんは特別支援学校へ通う障害の度合いです。地域の小学校はおすすめできません。」と言われ、レッテルを貼られたような悲しい思いをしたそうです。


 きっと、悲しい思いをしたなんて一言で表現できるようなものではなかったでしょうが、私が出会った時は辛さを吹き飛ばす様に明るく話してくださいました。





 小学校の特別支援学級では、まず一年の国語、算数など教科のカリキュラムを作ります。


 発語なし、絵本は数分も見ていられない、鉛筆は持てない子の国語や算数。何をすればいいのか大学の授業では教わりません。


 まずは、学校教育に対する本人のニーズや親御さんのニーズを聞きました。

 どんな力を伸ばしていきたいのか、将来望む姿など。


 お母さんは仰いました。


「この子は私が死ぬ時に一緒に連れていくので大丈夫です。せめて楽しく通えれば。」


 22歳の私に言えたのは、

「ダメです…お母さん。」だけでした。



続きます。






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子育て、生活情報誌「にらめっこ」vol.191  2019  9&10月号

連載 しょうがいを見つめるvol.2より


子育て生活情報誌『にらめっこ』9&10月号