ダン・ブラウン, 越前 敏弥

ダ・ヴィンチ・コード(上)




ダン・ブラウン, 越前 敏弥

ダ・ヴィンチ・コード(下)



ダ・ヴィンチ・コード(上)(中)(下)/ダン・ブラウン/角川文庫
2004年5月単行本刊行
2006年3月10日文庫版刊行

キーワード☆
暗号/逃避行/キリスト教史


ちょっと専門書っぽいイメージがあるけど、エンタテイメントですよ。でなけりゃこんなに売れないよね?ハリウッド映画の原作を意識して書いたようなストーリーです。肉親から暗号を託された当事者だが専門知識に乏しい女性(フランス人、美女)と講演先の異国で殺人犯扱いされ窮地に追い込まれた男性(アメリカ人、教授)が智恵を出しつつ、逃避行&宝探しをする話。途中節目節目でアクション有り☆真の敵は誰?の答えはミステリ初心者向けかなぁ。映画ならこのくらいでOKでしょう。
おもしろいのは、このストーリー、アメリカ人の男性が主人公なのに、主な舞台がフランス(パリ周辺)イギリス、それにローマ(バチカン)なんです。英仏伊の権威者たちを傍役に、米国人がフランス美女と‥っていうのが、いかにもアメリカ受けしそうな話なんだけど、なぜか日本でも人気。「007シリーズ」「インディ・ジョーンズシリーズ」を兼ね備えてるから?

マグダラのマリアについて
私はもともとキリスト教に詳しくありません。でも悔い改めた聖娼婦と紹介されるこの
「マグダラのマリア」について素朴な疑問を持っていました。確かキリストを処女懐妊したと言われる産みの母、その女性の名もマリアだったはず。だとしたら、キリスト=神とするなら、その母の名と娼婦の名が同じでいいのだろうか?日本的発想なら「畏れ多い」となり、下の方の者の名を改変するだろう。それなのに、なぜ「マグダラのマリア」は「マリア」を名のれるのか?その後もヨーロッパの様々な王室の女子が「マリー」「マリア」と名付けられていることを考えても‥またそれ以前になぜ夫婦である者が(夫のいる女性が)処女懐妊という不自然な形で、キリストを生まねばならないのか?幼稚園のころからの疑問ですね
この本は、こういった素朴な疑問の影には、やはり訳があるんだよ。。というようなことがたくさん書いてあります(^^;

ST.MAGDALENER(ザンクト・マグダレーナ)
ワインの中にもその名が残っています。オーストリア=イタリア国境あたりで産出される赤ワインです