11.
「君と仲良くしたかったわけではない。私は君のことが好きではない」
親友だと思っていた人は端的にそう告げた。
12.
見渡す限りの森林であった。眼前には大きな湖があり、なだらかに深くなっていくその見えない底に広葉樹林が広がっている。湖の中に広がる森などという景色は異様であった。さしこんだ太陽の光が水の中でゆれる緑色の葉脈に反射してきらきらと光っており、みなもは美しく澄んだ青色をたたえている。森の中には線路があった。そしてその線路は水の中へ続いているのである。
しばしその美しい光景にみとれていると黒煙ではなく得体のしれないこれまたきらきらと白く光るファンシーな煙を出しながら走る蒸気機関車が客室つきでやってきた。どうにも止まる気配をみせないそれと見渡す限りの森林。私は乱暴にその走っている機関車と客室の間の乗り込み用のてすりをつかむとぐいとひっぱられてそのまま水の中へ沈んでいった。
淡水の中でクマノミが泳いでいる。