28日 行ってきました。 真田十勇士
かなり宣伝もしていたので平日マチネでも客席は
2Fまで一杯。マキノノゾミさんの舞台はやはり
面白おかしいけど 難しい。
それをうまくいかせるかは役者さんにかかっている部分が
かなりあると感じてしまう。
以前13人の刺客を観たのだけれど
これは正直言って役者さんの力量が伴ってなかったと感じた。
ド派手な演出と舞台にすっかり飲まれた状態の主役さんの
お二人 やはりドラマ主体の役者さんだったのでそれは
致し方ないのか・・
脇役として活躍なさっていた舞台役者さんが可哀そうにすら
見えてしまった。
まあそれはさておき今回の舞台はまさにマキノノゾミさん&
堤さんワールド。それを見事に演じられたキャストさんに
天晴れでした。
これは中村勘九郎さんしか出来ないですよ! うん。
キャスト勢は皆さん若いけどしっかりカンパニーが出来ていて
マキノワールドにはまり込んでました。
勘九郎さんがこの若手のカンパニーをしっかりとまとめて
きたのでしょうね。
勘九郎さん、松坂桃李さん、中村 蒼さん、加藤雅也さん
真矢みきさん、加藤和樹さん、村井良大君 ・・
私はなんかもうこれだけで満足です。
忍術 妖術 どんな演出になっているのか
どんときて~ というほど 楽しみにしちゃってました。
だから前もっての情報は一切シャットアウトしていたんです。
それにしても公式プログラム で・・ でかいの。
これは以前 観た里見八犬伝同様な感じ。
つまりはパンフだけど写真集のようなもの。
なのでお値段も高いけど 私は満足。
そんでもってパンフ入れ用としてトートバックがセットで買えば
500円引きって なかなか商売してますよ(笑)
休憩中もグッズを持った役者さんの写真がアップされ
ちゃんと宣伝してるし(-_-;)
さすが 日本テレビ開局60年特別舞台と名を打つだけあります。
(どういった意味だ💦)
ワイヤーアクションなんて ジャニーズ舞台くらいしか・・💦
ワイヤー慣れていらっしゃらないせいか かなりコミカルな
ワイヤーアクションになってましたけれど。
(このコミカルさは演出のひとつでもあったりするけれど、
決める所とのメリハリがはっきりしていなかったので💦)
セットの一つ一つですら金かかってそうな勢いでした。
3時間半という長丁場ですが映像とワイヤーアクション
そしてキャストの豪華さ なかなか飽きさせない趣向でした。
初っ端からギャグ連発 この舞台はまさにエンターテイメントな舞台。
これらのギャグ全部がマキノさんのシナリオではないと
思うわけで。
つまりはキャストさんそれぞれがつけ足しているのでは?
そういえば演技の最中 中村 蒼くんがなにやらツボったようで
笑いが止まらなくなった状態があり 勘九郎さんすかさず 変な
チャチャをいれながらうまいこと繋いでいらっしゃった。
これは ちょっと、キャストさんも客席も???でしたね💦
パンフにも書かれていたのですがこの舞台役者さん達が揃う
稽古初日に アンサンブルの方々が代役で全幕を演じて観せて
下さったのだそうです。 なので役者さんの方々はそれぞれの
立ち位置役柄の把握をスムーズに出来き 新たにこの場面は
こうした方がいいのではなどといったアイディが沢山生まれた
そうです。 もうこの時すでにカンパニーの土台は出来ていたと
思わずにはいられません。 アンサンブルの方々 素晴らしいの
一言につきます。
なんちゅう カッコよさ! 堪りません。
みなさんパンフ等のビジュアルと実際の舞台のビジュアルが
全然違うのですが 和樹さんパンフ以上にカッコいい
いでたちなんですよ~ ああ、もうこの人になら殺されて宜しくてよ~
と オメメハートフルなおばさんがここにいます。
実際にいたら どけ~ばばあと言われ 踏まれていくのがオチ(涙)
って妄想でめげてどうする私!
村井さんに於いては劇場では丸メガネをかけてそろばん持って
真田家の台所を担ってきた海野役。
なんだ?コナン、なんて呼ばれてました(笑)
基本この舞台台詞は現代語録 それも流行り言葉
ばかすか突っ込みます。
お・も・て・な・し も じぇじぇじぇも 色々入ってきます。
そんな中ひとりやたら なまって台詞を言う人が・・
幸村の子供大助の剣術指南役の青木 健さん。
なかなか味のある素敵な役者さんです。
その訛りが どうも北関東でよく聞く訛り
(私は学生時代栃木県にいたので)
お笑いコンビ U字工事 の栃木訛りに似ているんです。
覚えた訛りじゃないようなスムーズさ、結構ツボってしまったん
ですけれど後でパンフ見たら青木さん茨城県ご出身。
納得でした(笑)
そもそも真田幸村ときけば どうしてもBASARAの oyakataさま~と、武田信玄を以上なまでに追いかけるあの幸村を
思い浮かべてしまう私なのでこれは切り離さなければ・・・
これは徳川と豊臣との大阪冬の陣 夏の陣を描いた舞台です。
書物では豊臣の知恵者として戦略を練ったとされる幸村ですが
この舞台の幸村は本当は全く戦略など練らずいきあたり
ばったりの戦略がたまたま功を奏し 人の口から口へと
良い方に語り継がれているだけだといった展開。
幸村は物腰柔らかい戦いのなど嫌いな茶をたしなむ事を楽しみと
しているような男だったという設定になっているのだ。
この腰抜けの幸村役を演じたのは加藤雅也さんメンズノンノで
風間トオルさんや阿部寛さんらと表紙を飾った時代の人なのだ。
舞台上でも阿部寛とよく間違われるんだよね~なんて事言ってました。
そして松坂桃李さん
時代ものですが このイケメンを生かした演出。
霧隠才蔵役ですからクールが基本なんだけれどくのいちに
イケメンビームを浴びせたり ひとつ間違えればかなりお粗末な
お笑いになりそうな ぎりぎりの役どころ(笑)
でも そこで思い切り容赦なく笑いをかぶせて修正するのが
ベテラン勘九郎さん演じる 猿飛佐助なわけです。
このストーリーの伏線ともいえる心理
嘘もつき通せば真実になる という物。
佐助自身も最初は嘘で固めた人生を面白可笑しく生きてきて
それでいいといった風来坊だった。
ところが ひょんなことから 真田幸村と出会いこの腑抜けな
男にどこか惹かれていく。やがて幸村の為にそして集まってきた
仲間の為になんとかして嘘を本当にできないものか、などと
考えるようになっていくのだ。
そんな佐助に仲間たちも惹かれていく。
いつの間にか心が一つになっていくのだ。
しかしながら勘九郎さんは凄いな。
舞台を知り尽くしている人ってこういった人を言うんですね。
客席も舞台上も 全部一体化させてしまうんですよ。
まあ 猿飛佐助も霧隠才蔵も 元になった人はいても実在の
人物ではないわけで対立していたとしてもこんな風な
ストーリーもありかな なんて思ったりする。
それはそれで楽しめちゃうのですよね。
そして淀君を演じるのは真矢みきさん。
流石ですね。 妖艶でした。
溺愛する息子秀頼を守りたいがために戦いに出さずして
大阪夏の陣を切り抜けようとした兵。
息子を守る為なら誰が死のうと構わないそんな悪母ぶりを
遺憾なく演じて下さった。
息子共々家康に立ち向かっていった幸村親子とは対なる
光景でした。最後は大阪城にて自害と言われていますが
実際にはその屍はみつからず どこかへ逃げきったのでは
なんて記述もありますけれど 真実はいかに・・ですね。
そして そして 忘れてならないのは今回この舞台の
ナレーターを演じたのは坂東三津五郎さんなんです。
昨年すい臓がんの手術をされ舞台の方もお休みされていたと
聞きましたがその三津五郎さんがナレーターをされていました。
勘九郎さんも舞台から三津五郎さんの復帰をご紹介されてい
ました。
無事ご快復されたのですね。 本当によかったです。
楽しい 楽しい エンターテイメントな舞台でした。
客席場も何度も役者さんが通り抜けたりするので本当に
客席舞台と一体化した力のいらない舞台観劇。
しっかりとした歴史ものを観たいのだ!という方にはちょっと
お勧めできませんが年代問わず多くの方々に観て楽しんで
頂ける作品じゃないかと思います。