熱戦が続いていますね。

日本代表の試合はドイツ戦、コスタリカ戦ともに中継で見ていました。

ドイツ戦は家族が寝静まった後のリビングでひっそり観戦。前半みて絶望して、後半始まってなにも変わってなかった寝ようと思ってたところ、システム変更で流れが変わり、なんと逆転。

声を上げずに拳を突き上げ走り回っていました。

 

コスタリカ戦は、日本が「死のグループ」と言われた(あくまで日本にとって)グループE突破をこの目で見ようと、昼間から子供たちを全力で遊ばせ、早めに寝かしつけて準備万端で観戦しました。

後半頭からの観戦になりましたが、割と日本がボールをキープしていい感じ→後ろでゆっくりボール回しの時間が続く(いつもの感じ)→ボール前での凡ミスから失点→結局追加点入らずに敗戦、という絵にかいたような負け試合を見る羽目になりました。

あぁ、この勝負弱さが日本代表たる所以。。。。

 

さあて次のスペイン戦。早起きしてみよう。

ここでどのような戦い方になるか、考察。

 

スペインは勝ち点4でグループ首位。は勝ち、引き分けは無条件で勝ち上がり。負けの場合、ドイツ勝利で得失点差8がひっくり返らなければよい。コスタリカ勝利の場合、スペインが負けたら無条件で敗退。

おおまかにスペインは負けなければよい。

日本はどうか。勝てば無条件で通過。引き分けの場合、コスタリカが勝てば敗退。ドイツが勝てば、それが複数得点差ならば日本敗退。1点差勝利でも日本が0-0で引き分けなら総得点差で敗退。

日本は少なくとも1点は入れないといけない。

 

ここでスペイン、日本の思惑のズレが生じる。

攻めなくてもいいスペイン、攻めないといけない日本。

とくにスペインに先制点を挙げられると、万事休す。ボール回しが抜群にうまいスペイン相手にそれを奪取することは困難を極める。必然的に前がかりになり、カウンター一発でやられる。

ではどうするか。

そこはリスクを承知で前に出るしかない。全員でリスクをとることがリスク管理になる。

中途半端な前線からのプレスは中盤にスペースを空けてしまう。そこでガビやペドリに前を向かれると1プレーでチャンスを作られてしまう。全員がリスクをとるという認識を持ち、DFラインを高く保つことが必須条件。

ただ、高すぎるDFラインも危険。スピード勝負となったときCB吉田は狙われるだろう。

なのでここは思い切って冨田、板倉、伊藤の3バックを推奨。

ボランチ2枚は鎌田と守田。

両WBは予想しにくい。伊東はフル出場で後半でも運動量は落ちないと思う。問題は三苫の左サイド。

現在の日本で伊東、三苫がチャンスを作ることができなければほぼ詰みなので、三苫は後半開始からのジョーカーとして残しておくべきか。ならばスタートは長友か。

2シャドーは南野と堂安。CFは出だしは前田と予測する。

前線はとくにボールを追いかけまわして消費すると思われる。CFは後半途中で前田→浅野へ交代だろう。

できれば後半から遠藤を投入して、堂安、鎌田のシャドー、両WBは伊東、三苫、CF浅野 の現日本での最大火力で攻め立てる。

そんな予測を立てます。

 

さてさて、運命の12月2日。本当に楽しみです。
 

 

世間を騒がせているニュースです。

自分がその場にいたらどのように診断しただろうと考えました。

 

以下は厚生労働省が公表している新型コロナワクチン接種後の副反応についての報告です。

 

 ここの 12歳以上の死亡例の報告について 、1-3-1別添 に記載されています。以下引用です。

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14:18頃ワクチン接種。.本人は体調変わりなしと答えた。

14:20 頃待機場所に歩いて移動。 

14:25頃、咳が出始めたため看護師が声をかけ前方に歩いて くるも、途中で座り込んでしまう。看護師が車いすで介助し救 護室に移送。その際に、「接種前から体調が悪かった」との訴 えを看護師が聞いた。看護師より、「気分が悪い人がいる」と 呼ばれて報告者である医師が救護室へ向かった。 

14:28-29頃初診時、顔面蒼白・呼吸苦訴えあり。明らかな粘 膜所見なし・皮膚所見なし・掻痒感なし。消化器症状訴えな し。聴診では明らかな喘鳴は聴取できず。意識はあるものの 呼吸促迫しており、会話は単語程度を断続的にできるのみ。 バイタルチェックを指示し、SpO2 60%台であったため再検を指 示するとともに、酸素5L投与開始、救急要請。 

14:30頃、バイタルチェック中に嘔気出現・泡沫状のピンク色 の血痰を排出。次いで鼻腔からも血痰が溢れ、

14:34頃意識 レベルが低下したため臥位にすると呼吸停止・総頸動脈/鼠 径動脈触れずbystander CPR開始。

14:35-36頃AED装着。 ショックの必要なしで、CPR継続。エピネフリンを静脈内投与 しようとするも静脈路確保できずCPR継続。 14:40頃、心拍再開・自発呼吸再開するも、あえぎ様呼吸であ り、

14:42頃再び心肺停止となりCPRを再開。ほぼ同時に救急 隊接触し、

14:55救急搬送となった。救急車内でもAsys継続・ 瞳孔散大対光反射なし。

15:15頃3次救急病院に到着し、引き 継ぎとなった。

 

15:15、隣接市の新型コロナウイルスワクチ ン接種会場から心肺蘇生患者の救急搬送を報告者の医療機 関の救命救急センターにて受け入れた。到着時、心肺停止 状態で、心電図波形は心静止であった。心肺蘇生を継続し、 ルート確保のうえ、アドレナリン1mgを投与し、挿管管理を実 施した。アドレナリン1mgを計8回投与するも反応はなく、同日15:58死亡確認となった。死亡時画像診断を実施し、高度肺 うっ血像認めた。病理解剖は実施せず。救急隊から、推定体 重110kgとの情報があった。以前のかかりつけ医からの情報 で、既往として高血圧症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群が あった。救急搬送時の所見としては、高度肥満があり、皮膚 および粘膜病変は認めなかった。接種会場での状況につい て、ワクチン接種前から呼吸苦があったとの情報と急変時に 泡沫状血痰があったとの情報があり、急性心不全を死因とし た。

 

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麻酔科医としてまず目についたのは推定体重110㎏(160㎝としてもBMI42)のめちゃくちゃな巨漢。

そして高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群の既往歴。絶対担当したくない・・・。

 

ワクチン接種して数分で咳、その場で座り込んで呼吸苦を訴える。ここまでは確かにアナフィラキーっぽい。

でもその後の身体所見は明らかにアナフィラキシーショックっぽくない。

「顔面蒼白・呼吸苦訴えあり。明らかな粘 膜所見なし・皮膚所見なし・掻痒感なし。消化器症状訴えなし。聴診では明らかな喘鳴は聴取できず。」これを見たら、普通はアナフィラキシーショック以外を疑うと思います。

アナフィラキシーショックの診断については薬剤接種直後の呼吸器症状、循環器症状、消化器症状、皮膚粘膜症状のうち2つ陽性で診断となとなります。今回、呼吸器症状は陽性で異論はなし。次に循環器症状ですが、これが非常に評価に悩む点です。というのも、患者は「診察中に嘔気出現・泡沫状のピンク色の血痰を排出」とあります。

これを見たら普通は左心不全を疑います。アナフィラキシー単独では肺うっ血の症状であるピンク色の泡沫状の痰排泄はしない。

このドクターもおそらくはそう考えたのではないでしょうか。

(一部には嘔吐による粘膜損傷だ!と言っている人もいましたが、嘔吐したとは一言も書いていません。ただ、吐気だけです

。そしてマロリーワイス症候群は普通は頻回嘔吐後に生じます。)

さらに邪魔をするのが「もともと体調不良があった」との発言。もともと心不全や狭心症があったのではないかと疑いたくなります。(推定体重110㎏だし)とするなら、血圧低下は心不全によるもので、呼吸器症状のみとなりアナフィラキシーショックの診断基準は満たさないことになります。

ただ、すべての症状を一元的に説明できるよう試みることがセオリーです。

ワクチン接種後の呼吸苦とSpO2低下、胸部聴診で喘鳴なし、消化器症状なし、皮膚粘膜症状なし、肺うっ血、その後に心肺停止を説明できないといけない。

後だしじゃんけんは百も承知ですが、ワクチン接種によるアナフィラキシー(ショックかどうかは不明)で、コーニス症候群(アレルギー反応に伴う急性冠症候群)から急性左心不全となったのではないか、と推測します。

これなら一応は一元的に説明できるかと思います。死後の画像検査でも著明な肺うっ血があり、死因は急性心不全となっているので辻褄は合います。(おそらくはこの段階で心不全となっているにも関わらず、胸部聴診での湿性ラ音を聴取していないことは気になりますが)

 

では、自分がこの場にいたらどうしたか。

まずは深く考えずにエピネフリン筋注をしたと思います。

でもエピネフリン投与だけでは反応に乏しく、グルカゴン投与や、ピトレシン投与も考慮にいれるかも。そこで心不全症状もあるし、明らかにアナフィラキシーショック単独ではないことに気づいて苦悩するでしょう。エコーがあれば非常に有用なツールになりえますが、ワクチン接種会場にはそのようなものなど望むべくもない状況。

末梢ルート確保も困難そうだし、気道確保すら困難かもしれない。なにより心不全となっている人に大量輸液です。瀕死の心臓にとどめを刺す可能性だってあります。速やかに高次医療機関に搬送して体外循環(IMPELLAやECPELLA)を回して、やっと救命できるかどうかといったところでしょうか。

 

現時点で自分には時間をかけてもこれくらいしか思いつきません。

現場で数分単位で状態が悪くなる患者に対面した医師の心境たるや想像を絶します。

少なくとも、ニュースになっているような、「明らかなアナフィラキシーショックでエピネフリンさえすぐに筋注していたら助かった」ような症例ではないと感じます。


 

2022年度 麻酔科専門医試験を受験しました。

周囲に受験者はおらず、諸先輩方からのアドバイスを聞きながら手探りでの勉強となりました。

同じように受験する誰かのお役に立てればと思います。

 

・筆記試験

 過去問を解くのみ。

 6年分全部を5周解いて、6周目は間違えたところだけやりました。

 まずはざっと1周。解説はなんとなく読みますが、深入りは禁物。

 最初はなかなか進まず心が折れますが、2周目以降はだんだんスピードアップするので大丈夫。  

 3周目からは解けるものと間違えるものが割とはっきりしてくるので、間違えた部分だけ自分のノートを作成。

 開始したのは受験する年の12月から。 記録と辿ると3月までに1周目を終えたようでした。

 2022年度はABC問題ではなく、一般問題(80問)と症例問題(55問)の二つになります。ともに6割は過去問でした。

 以前はC問題は新作でしたが傾向が変わったようで、C問題含めてより過去問が大事になるかと。

 

・口頭試問

 「さらりーまん麻酔科医」先生の対策本を購入。主に使用したのは緑本。青本は分厚くて読む気なくしました(笑

 振り返ってみると、普段自分が関わらない分野(私はペインや小児など)だけでも目を通せばよかったかなと思います。

 アウトプットが大事になるので、答えの音読をしました。5年分を2周くらい+各種ガイドラインとBLS、ACLSのまとめ。

 最近よく問われるのは患者や家族、外科医への説明なので、それっぽいところは自分なりに回答を作成。

 スマホやタブレット端末は控室入室時間が過ぎると使用禁止になるので、紙媒体でなにかあった方がいいと感じました。

 本番で重要だと思ったのは、問題文から聞かれる問題を予測すること。問題文を渡されて5分間メモ書きなどが許されるので、

 その間にできる限りのことを書き込む、予測する。とっさに回答が出なくて躊躇することもありますので、お守り代わりに。

 答えに詰まるとなんとなく誘導してくれたり助け舟を出してもらえました。圧迫感はなし。

 

 

筆記試験当日のお昼休憩は実質10分少々です。特に女性は大変だろうなと思いました。

神戸会場でしたが、会場内で食事はできました。みんなパンやおにぎり、ウィダーインゼリーでした。

前日はポートピアホテルに泊まりました。朝食会場は朝いちで行きましが結構人が多くて、会場に入れず待っている人もいました。