(※MVそのままなのでスマホ縦向きだと見ずらいかも)

 
 
 

「やっぱりさ、ヴァンパイアって不死身なんだ?」

 
 

 腕の中で微笑む男の身体は真っ赤に染まっている。

 男は呼吸すら苦しいのに、俺を心配させまいと話しかけてくる事が辛い。

 俺の肉体も同じくらい損傷しているのに、すでに修復が始まっている事

に苛立ちを覚えるのは何故なのか。

「もう……これ以上喋らないでくれ」

 掠れた俺の声が何も無い世界に消えた。

 何か答えようとした男は、もう声を出すことは叶わない。

 俺の両手は血で溢れ、これが最後だと悟った。

「……な、ぇ」

 人の死には慣れたつもりだった。

 だがこれだけは、俺にとって呪いのようなものだ。

 俺はお前を何度看取れば許される?

 

 

 でも、

「そんなに泣かないでよ……らしくない」

 そう言って血塗れのまま起き上がった男の背中には、大きな純白の羽が

生えていた。

 いつの間にか俺の両手を伝っていた血も今は消えている。

 俺よりも上位互換の、肉体の修復。

 冗談交じりに天使のようだと言われる男が憧れた、人ではない存在。

 天使?それとも堕天使?

 いや、そんな些細な事はどうでもいいか。

「今度こそ、僕は□□□の相棒になれそうかな」

「……この世界には、もう俺達しかいないのに?」

 世界の終末にこんな覚醒をするなんて、ゲームかよ。

 でもしれが□□□らしいとも思った。

 

 

「でも、僕らだけは生きてるよ」

「あ、生きててえらいってやつか」

「この状況で使うとか、僕も流石に想像してなかったなぁ」

 

漆黒の灰と瓦礫の中、俺達は楽しそうに笑いあう。

そして、出会って初めて俺から触れた時のように強く手を重ねた。

 

 

 

 

そこに絶望なんて少しもなかった。

 

 

[Prolugue:The Story of Us]

 

 

「貴方はこの拙い物語ですら本当だったと信じているのですか?」

 

 

[conversation history:1]

 

 

「……ハロー相棒、

       食事は足りてる?オーバー?」

「食事?

別に困らないだろこの街では……オーバー」

「違うよ、そうじゃなくて」

「ああ……アレはもう必要ないって

           お前も知ってるだろ」

 

 

「強がりだね。少しは補給しないと

       戦闘になったらすぐ死ぬよ?」

「最近はボット共も揃って平和ボケだぞ。

    そもそもこの世界に死ぬ要素って

         プログラムされてんの?」

「……ふふ、騙されなかったかぁ」

「流石に騙されないねえ……対あり」

 

 

「でもさ、いつでも言ってよ。

          すぐ駆けつけるから」

 

 

[conversation history:2]

 

 

「や、別に用はないんだけどな」

「オーバー?」

「……もうその茶番よくね?

お前のソレ本当はトランシーバーじゃないの

             知ってるよ俺」

「無粋な事言わないでよ。

       この方が雰囲気出るでしょ」

 

 

「雰囲気の問題?」

「ん、そっ。何事も雰囲気作りからだよ。

            今を楽しまなくちゃ」

「……虚無の世界でも、か。」

「だからこそだよ」

 

 

「俺はお前のそういうとこ、

         嫌いじゃないけどな」

「今度久しぶりに会おうか。

       それでゲームしよ」

「くろのわオフラインコラボ」

「あとでピザでも頼もうか。

     そしていつもの挨拶は」

 

 

「「おつのわーる」」

 

 

[conversation history:3]

 

 

「あ、ごめんさっき着信出れなくて」

「何だよこれぇ……!オーバー‼」

「え?何ってなぁに?」

「……楽しそうだねお前。

     完全に分かって返事してるだろ」

 

 

「そりゃ楽しいでしょ。

 懐かしいよね

   このミュージックビデオ。

         お前も今見てる?」

「見てるもなにも……

  これだけ街中に映像流してりゃ

        嫌でも目に入るだろ」

「僕らがアイドルなんて

   冗談かと思ったけど、

      こう見ると案外イケてるよね」

「このかっけえ布のお陰だけどな。

        次の衣装も楽しみだった」

 

 

「そうだね。

 あ、この映像ってここに来る直前

          撮ったジャケだよ。

             出したかったなぁ僕らの新曲」

「その新曲今街中に流れてるけどな。

     ってかよくデータ残ってたな」

「大切だったからね。これだけは死守した」

「……へえ」

 

 

「いつか、いつかね。また歌いたいよお前と」

 

 

 

 

〖ヘテロスタシス〗