あるところに…
みけねこがいました。
ねこはとりがすきです。
でもびょうきで…
ながくはたってられず…
すわってみます。
もぞります。
むねがドキドキします。
それがおわると…
テレビをみます。
シーキチンがでます。
やはり、みます。
なんとなく おなかがすき…
ちょっとうんどうでもしてみようかの
と…いいわけがましいうごきをみせ…
のこしておいた ごはんをたべます。
しっかりとたべながら…
コレは テレビにでていた アレかなぁ?
と かくにんします。
それがおわると…
ひがしのそらを かくにんします。
それから にんげんがかくしていた
おみずをのみます。これは このくうかんでの
ねことにんげんのあそびなので
ねんいりに かくにんしなければなりません。
それがおわると にしのそらをかくにんします。
ねどこへ もどります。
ふたたび ひがしのそらを…
にしのそらを…りょうほうのそらを かくにんします。
ねこはこのとき…
いつかじぶんが あのそらへいくことを
だれかにきいたことがあると おもいだします。
あれはたしか ねこがみさまと
ゆめのなかで おはなしをしたんだったかなぁ?
…でも もうねむいので ぐうたらすることにします。
なにげないにちじょう…
なにげないただのあさ…
なんということはない…くりかえしのまいにち。
でもみけねこは…
いつかじぶんが ここからぽっかりときえたら…
にんげんが…
そのときには もうみえないじぶんを
さがしているような きがします。
にんげんは いっしょうけんめい さがすのです。
ひがしのそらをあおぐねこを…
にしのそらをあおぐねこを…
このくうかんで ここにはいないねこをおもい…
にんげんが じぶんをさがすのです。
ねこは そらのかなたから こたえます。
たのしかったね にんげんよ。
おいしかったね ツナかんは。
きもちよかった みずとかぜ。
そのとき じぶんとにんげんは…
このそらでつながっていることを
なにげない けさかくにんしたものすべてで
えいえんにむすばれていることを ねこはしっているのです。
…そんなだいすきなものが あたりまえのように
きょうもここにあることを ねこはかくにんしてねむります。
「ねことにんげんのあたりまえ(未刊)」より