中川智正さんを受け入れたというより
自分の宿命を受け入れた が正解
父親が生きられた道が私の用意された人生
因縁に囚われた祖父が30歳で亡くなったのも
戦争で死なずに生き残って10年後なのも
残された者の悲しみを大きくするモノやんか
私を産んだ美知子は
おじいちゃんが1番溺愛した次女
私が産まれたのは祖父が亡くなって20年後
キリが良い時に産まれたとか思うのは他人
緑さんにしてみたら おじいちゃんの跡を継がされる娘 になるのは理由がある
おじいちゃんの遺骨を曾祖父母に取られたのも
因縁がなせる技で 引き離された
霊能者も逃げ出して供養なんか出来ん
一族で代々 生贄 になる跡継ぎが生まれて
その子だけが人生は修羅場と不幸の連続
若くして亡くなるんやなく 人生の最も良い時に亡くなる おじいちゃんは三姉妹を作った矢先に急性白血病で数ヶ月で死んだ
私の名前は呪われとると言ったけど
美知子の姉が候補を出した部分だけの意味
本来は 智慧 となるのに緑さんが反対して
ちえ 平仮名にして因縁から逃げる道を
逃げられんのやけど立ち向かうようにが正解
おじいちゃんが逃げられんかった宿命で
私が何故か代々の中で唯一の女の跡継ぎ
叔母の息子は私より3年先に生まれたけど
素質が無かったのか跡継ぎだと思われてない
親の離婚も私の人生に必要な出来事
ゲルニカ事件も 、、、全部が親子関係の話
オヤジを選べんかったあの日から決まったんよ
因縁の始まりは戦国時代の先祖で
逆恨みをされたのか事実なのか知らんけど
末代まで呪ってやる ! ってね
次男のおじいちゃんが跡継ぎやったから
そのまま私に流れてくるのが道理
本家は栄えとるよ
金持ちの次男やったんやなと分かる
おじいちゃんが駆け落ちした事で
本家と分家に分かれたけど跡継ぎがおる
その家が本来の道筋だと思われるんよ
私の人生はオヤジと生き別れて
最後に戻ってきたあの人と生活する中で
子供が成長したのを見届けて死ぬ
それは薄々感じてたけど
中川智正って文字を見た時に
その前に入ってきた感情も思い出したら
12歳年上と結婚した意味まで分かったんよ
因縁は選ばんかった道があっても
選んだ道でも本来の道と同じようにされる
美知子にも緑さんにも言わんかったけど
違和感だらけの生活で優求を産んだ時に
あの子だけが私を選んできた子供だと
娘は父親を選んだのを知ってたから
離婚するのも想定内
それからの人生が更に辛くなることも
ゆうきを逃がしたのは因縁からでもある
私で終わらせるつもりで手放した
なのに中川さんの気持ちを知って
オヤジが生きる道があったとか
最後に戻ってくる道があったんだって
知った時は流石に悲しすぎた
私が選ばんかったせいで!とか
悲壮感に打ちひしがれたりせんけど
冷静に パパの生きる道を閉ざしたのは私なんやな って受けとめた
緑さんに自分の直感を信じるように
そう育てられたのが仇になったのか
幸いになったのかは わからん
悲しい事に美知子は知っとるんよ
なんで私だけの人生だけが悲惨で不幸なのか
人生の中で私と生き別れる時間がある
そんな事も知っとるのに現実がそうなってく
抗う姿も見てきたけど高校卒業した時に
水牛の判子を作ってくれたんよね
齋藤とちえ 女の子は名前だけでも使える
判子を見ても抗えんのは分かるやんか
美知子の顔を見たら言えんでね
漠然と美知子が死にそうな時に
私は家を捨てるんやろな 、って思いは
高校卒業の時からあった
離婚した時に運命が決まったんよ
ゆうきを逃がした事で更に酷い人生やった
死にかけても死なんかったのは先祖の力
それでも自分の意思がないと
因縁を鎮められんのは分かっとるやん
試練を乗り越えたら次の試練
小さい頃から私は子供は4人とか
言いよったのも自分の本来の道を知らんでも
無意識に感じ取るのは力のせいやろ
中川さんの話がリアルすぎて生々しいのは
直接本人から映像が流れてくるけんよ
カウントダウンが始まって
中川さんが視ていた本来の道と同じように
オヤジは生きる道があったと知っても
私が許した事だけが有難いって言いよる
私だけが自分の死を嘆いてくれたって
ゆうきを守りながら美知子の側におる
私は視えたり感じたり出来るけど
美知子は違うから言ってやらんとね
女ばっか腹違いがおるけど
男の子を妊娠出来たのは美知子だけ
その話もしてやらんと弟が可哀想やん
ずっと美知子を心配して
私が家を捨てて母親を守った時に
弟がずっと美知子を見よるんよ
私が最初から男児を産めたのも不思議
ウチは完全な女傑家系で男子は少ない
下の伯母が息子2人産んだけど私は違う
跡継ぎで男児が最初やと
因縁も引き継がれてしまうんよ
無理やりそれを断ち切ったのは私
子供に寂しい思いをさせても人生の破滅や
若くして死ぬ宿命だけは嫌やんか
ゆうきも私から受け継いだ霊感が強すぎて
小さい頃から視える子
やから今は繋がっとれるけど
高校卒業するまでは 生きとってよ
そう思うばかりの数年やった
霊能者になれと言われて断ったのも
他人の人生を視たくなったのもある
1番は自分の為に使わんといかんかったけん
ウチの因縁から逃げ出した人が
私を霊能者にしたがるんやけんね
命を取られる!って言う因縁
そりゃそうやろ 、旧家の因縁なんやから
私は40年間全てを使って
因縁を鎮めて向き合ってきた結果として
ゆうきは因縁を背負っとらん
私も跡継ぎの役目を果たして
因縁は消えんけど許された部分が多い
末代までの恨みは私で消えた
許しと消えるのは意味が違うんよ
平安から続く家でそれまでの長い時間
その時代に生きていた先祖のした行動やから
逃げたりせんけど私が受け取るから鎮まって
こんな気持ちで試練を受け入れよっただけ
やけど父親の人生を知ると
中川智正さんを助けるのと同時に
自分の父親も助けたくなった
叔母が引き裂いた両親やから
お互いに好き同士なのは知っとったけど
戻るきっかけは私やったんよね
それを知ったら後悔しかないやん
自分で選んだ人生は正しいと思う
思うけどそれで割り切れたら簡単なんよ
おじいちゃんに溺愛された美知子が
欲しくて待ちわびてた女の子が私なのに
因縁のせいで私は家に帰らんくなって
理由は分かるけど母親としては悲しいやろ
私はその決断を20年前にした
3歳と2ヶ月の優求を逃がさんと
人生の前に若死にするのを知っとったから
他人の為に生きとったら自分の子供の運命は
見抜けてない
因縁を背負わせるぐらいなら心中する
とまで考えたけど
手放して私の側から離せばどうにかなる
ゆうきに恨まれて殺されてもいいけん
あんただけは生きとってって気持ちだけ
良い子に成長した姿を見ると
私より偉い子だと嬉しくなるけど
成長を見ていたかったってのは消えん
あれだけ私に似とるんやから
手放さんかったらどうなってた 、やろ ?
中川さんで付け加えるとしたら
上祐さんは知りながら嘘をついたんやなく
全てを麻原に暴露されて直ぐに出されとる
上祐さんが失敗したらオウムは潰される
それだけは麻原が許さんかった事やから
困惑しようが絶望しようが嘘つかないかん
完全にマインドコントロールが解けとるのに
嘘をつかないかん精神は辛いやろ
中川さんは知っとったらしい
だから未だに上祐さんに後を任せた事を
謝りよるし誤解せんでと言いよる
私が宗教に興味がないのを知っとるから
言えるんやろけどね