ふられたー


とぼとぼ、夕暮れの道を歩いていく私。


「ははっ・・・」


中学生だから、まだ、早かったんだよ・・・


涙を拭う、でも、ぽろぽろ出てくる、涙。


私は、今日、ついさっき


吉野 裕也 (よしたか ゆうや)に告白したんだ


でも、結果はNO


やっぱりこんなブスには、無理だったんだよね


目は一重だし、細くないし。


告白するときってよほどの自信がある人しかしないんだよ


だって、告白してNOだったらこれから、その人と喋れなくなるじゃん


そんなこと、絶対考えて告白してる


だから、絶対大丈夫だ、と信じて挑んでるわけ。


で、私もその中の一人


もしかしたら、私でも・・・。


そう、思ったんだよ・・・


悪い・・・?


ううう、涙が・・・


「どーしたの、橋本!」



下を向いて


涙を拭いて


鼻をずずって


前へ向いた


「盛野じゃん・・・」


「何その嫌そうな感じ」


「うっせー私もう帰るから、どいてよ」


盛野 武  (もりの たける)


同じクラス、隣の席


はっ、泣いてるところ見られた!?


超恥ずかしいっっ


さっさと帰るぞうううう・・・


「ほらっ・・・はやく!」


「泣いてるじゃん・・・なんで泣いてるのか理由聞いてんだよ」


怖っっっ


「怖いよー」


「おい」


「助けておまわりさーん」


笑いながら言った


「おい!!なんで泣いてたのか聞いてんだよ!!!」


びくっっ


怖かった


「・・・・・・・・・・・・・・・・あんたに話してどうなんのよ・・・」


「出来る限りのことがすっよ」


「・・・・・・あんたに関係ない」


「ちょ、待てよ」


走り去ろうとする私の腕をつかむ盛野


でも、気持ち悪くなった


「やめてよ!きもい!あんたに関係ないって言ったの


聞こえなかったの!?」


すると、盛野は素直に手を離した


ひどいことを言ってしまった、とは思いつつも


気がつくと走り去っていた。



翌日、学校にて


「おはよ、麻美」


「おはよー亜衣菜」


私は、橋本 麻美 (はしもと まみ)


中学2年生、ぴちぴちのJC2!笑


「麻美麻美麻美!昨日、どうだったの?


電話なかったからまさかとは思うけど・・・」


「そ、フラれちゃった」


わかってて聞いてるんでしょ?


ニヤニヤしててそのニヤニヤ顔きもいよ


「あーそなの・・・残念!


でもまた次頑張ろうねぇ」


そう言い残し、歩香たちの方へ小走りに走って行った


報告しに行ったようだねぇ


・・・喋りながら私のほう、ちらちらみるんじゃねーよ


って、あれ?


隣の席が、島田に変わってる!


あれ・・・盛野・・・?


盛野を探す、あ、一番前の廊下側じゃん


盛野は横の女子と親しげに話している


あれ、なん


あ・・・


・・・・・・


まさか・・・・


震える声で島田に聞いた


「島田・・・なんで、盛野、あっち、行っ、行ってるの?」


予想通りの答えが返ってきた


「ああ、なんか盛野が希望して、あっち行ったらしいぞ」


昨日・・・私がひどいこと言ったから・・・?