ストレスでなるんですか、本当ですか?日本は戦時中に、うつ病の患者がほとんどいなかったことが知られています。他の諸外国でもそうです。なんで死ぬかも、亡くなるかもしれないような、そういう危険な状況の中で、うつ病が減るんですか?
吉野敏明


引用元:「鬱を根本的に治そう!甘いものを食べるとなぜ、鬱病になるのか? 東洋医学の弁証法、脳内物質の代謝、腸内細菌と四毒で鬱病発症のメカニズムを明確に説明する」

 

 

 

 

 


今回は“甘いもの”と“鬱病”のつながりを、東洋医学の弁証法、脳内物質の代謝、腸内細菌の動きから紐解いていきます。なぜ甘さを求める食習慣が、心の不調や鬱病の発症リスクを高めてしまうのか。単に「甘いものを控えましょう」という浅い話ではなく、体・心・魂にわたる包括的なメカニズムにまで踏み込んだ内容です。日々の習慣と心の健康を結びつける新たな視点を学びます。

 

 

1. 東洋医学が捉える「鬱病」

東洋医学では、体内のバランス(気・血・水・津液など)を崩すことで「病」が起こるという考え方があります。実のところ鬱病は、四毒と深く関係しており、これが「肝鬱」「気滞」「痰湿」「血瘀」などの形で表れ、いわゆる鬱傾向・鬱病へとつながるというのです。

たとえば、甘い物を大量に摂ることで腸内の消化・代謝・排泄の循環が滞り、「痰湿」や「気滞」の状態を招く。こうした状態が長引けば、気力が低下し、思考が停滞し、鬱病に至る素地が出来上がる。

よしりんは、鬱病患者の多くが「低体温」「肝鬱型」「気血両虚」など、東洋医学的に言えば“巨滞”な体質を持っていると語ります。この視点は、単なる脳内の「セロトニン不足」「ドーパミン低下」だけでは説明しきれない、身体・臓腑・気血水という総体的なバランスの崩れにあるのです。

 

2. 脳内物質の代謝異常が示す「なぜ甘いものなのか」

鬱病の通説では、セロトニン再取り込み阻害(SSRI)やノルアドレナリン再取り込み阻害(SNRI)などによる治療があります。よしりんは、なぜこのような治療が必要になるかを“プロセス”で説明しています。

まず、甘いものを摂ると瞬間的にドーパミンが分泌され、「今、快適だ」「報酬を得た」という信号が脳を満たします。しかしこれが常態化すると、ドーパミンを得るためにさらに甘さを求め、反応が平坦になったり、摂らないと不調になる「報酬回路の誤作動」が起こります。

さらに、セロトニンの原料となる必須アミノ酸トリプトファンや、それを使って分泌される代謝パスがしっかり働かないと、セロトニンそのものが枯渇するのです。よしりんは「甘いもの・植物性油過剰・炭水化物偏重」が脳内物質代謝のボトルネックになっている」と指摘します。

 

3. 腸内細菌叢と「四毒」

ここでは、よしりんが強調する“腸内細菌と四毒”の関係について紐解きます。近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)が神経伝達物質、免疫、代謝に影響を与えているという研究が増えています。たとえば、ある研究では、清涼飲料を多く飲む人ほど鬱病の診断率が上がり、その関連には腸内細菌による媒介効果が確認されています。さらに、産後女性の研究では、鬱傾向が強い群では短鎖脂肪酸(酪酸等)を産生する菌群の相対量が低いことが報告されています。

これらの結果をよしりんは「四毒」が腸内細菌のバランスを乱し、短鎖脂肪酸の産生が減り、それが脳・心・神経に波及して鬱を招く」と説明します。つまり、甘いお菓子や清涼飲料、植物性油の過剰摂取が「腸内の有益菌を減らす→代謝機能が落ちる→脳・心に悪影響」という連鎖を生むというわけです。鬱病を「単なる心の病」だけではなく「腸・代謝・脳・心・体全体」の統合的な病として捉えることが重要です。

 

4. 具体的な生活改善ステップ-よしりん流「四毒抜き」+「東洋医学メソッド」

では、実際にどう生活を変えていくか。よしりんが提唱するポイントを整理します。

  • 甘いものの見直し:菓子だけでなく、清涼飲料・フラペチーノなど「甘さ+速やかな報酬回路刺激」に注意。ドーパミン回路を過剰に使わない。
  • 植物性油・炭水化物の制限:特に精製された油、ポテトチップス、白いパンなどを控え、良質なタンパク質・オメガ3・雑穀を増やす。
  • 腸内環境の改善:野菜・魚・発酵食品・海藻・きのこ類を意識的に摂ることで、短鎖脂肪酸を産生しうる菌群を育てる。
  • 東洋医学的アプローチ:「低体温」「巨滞」「肝鬱型」「気血両虚」などの体質に合わせて、温浴・歩行・日光浴・冷え対策を習慣化。

実践のポイント:理想的なのは、甘い物を「ズバッと」一気に断つことです。少量にしたり、頻度を減らしたりしても効果がないからです。よしりんは“器が小さい人”ほど少量でも影響を受けやすいと指摘します。鬱の改善には、ズバッとやめ、“整える”“育てる”という視点を持つことが不可欠だったのです。

まとめ

「四毒」が、東洋医学的な体質傾向、脳内物質の代謝異常、腸内細菌のバランス崩壊を通して、鬱病という現代的な病に結びつく――このように「体・腸・脳・心」を一体で捉える視点こそ、根本治療への第一歩です。四毒と向き合い、腸内環境と体温・気血の流れを整えることで、“全体的な習慣改善”が、心の回復をもたらすのです。