先日、中学校の宿題で「中学実力錬成テキスト 国語 1年」の「作文編  第3章 作文のルール」を解いていた際にとんでもない愚問を見つけた。この問題は高校受験で兵庫県で出題された問題の引用である。これは恐らく、大学入試改革で自分の意見を書かされる記述式の問題の増加が予想されることから作られたと思われる。


問2  「テレビは話し言葉に悪影響を与えている。」という意見について、あなたの意見を書きなさい。ただし、次の①~④の条件を満たすこと。
①百字以上百二十字以内出まとめること。
②悪影響と思われるような具体例を挙げること。
③ 題名は書かないで、本文から書き始めること。
④原稿用紙の正しい使い方にしたがうこと。ただし、段落分けはせず、一マス目から書き始めること。

このような問題である。お気づきだろうか。この問題は「テレビは話し言葉に悪影響を与えている」という意見に対する自分の意見を書くように求めているにも関わらず、条件で「悪影響を与えている具体例を書け」と求めている。つまり、「テレビは話し言葉に悪影響を与えていない」という意見は絶対に書けない。影響を与えている前提なのである。特定の意見を持つ人は自らの意見を曲げて書かなければ正解を貰えない作文問題など、愚問以外の何物でもない。大学入試においてこのような問題が出題されないことを願うばかりである。