公開当初からずっと見たかった映画を最近やっと見ることができました。
「ミックステープ」です!
ストリートから誕生したヒップホップというカルチャーをメインストリームに
押し上げた要素の一つであるミックステープに焦点を当てた映画。
「レコードショップ&バイヤー」と「メジャーレーベル&RIAA
(全米レコード業界)」の間で勃発している著作権問題についての
両者の言い分をドキュメンタリーの形で追ったものなんだけど、
映画の立ち位置は大分レコードショップ寄りで、メジャーレーベル&
協会はヒップホップを食い物にしている悪者という作り方になっている。
率直な感想は、ヒップホップの今後のあり方を考えるには
すごく良い映画なのだけど、今後どういった形でミックステープを
捉えていけば、カルチャーの醸成に寄与しつつ、アーティストを
保護できるかという映画としての「答え」がはっきりと明示できていない
という点で物足りない。
と言いつつも自分だったらどういう「答え」を出すかと考えてみると、
非常に難しいなー。
不景気でCDの売り上げがなかなか伸びない中で、こういった
ミックステープの問題とか違法ダウンロードの問題が立ちはだかる。
この著作権問題は音楽業界・産業の根幹に関わる問題で、
非常に興味があります。
自分は違法ダウンロードはしないというポリシーがあります。
大学時代に一時期少しかじったこともあるんだけど、
リスナーとしてはもちろん、DJという形でも音楽から、アーティストから
多大な恩恵を預かっていることを考えると、恩を仇で返すようなことは
できないなと。敬意を表したいなと。
けど、この映画を見て著作権の観点でいったら、ミックステープも
違法ダウンロードと根っこは同じ問題を抱えているというのを感じる。
んー難しい。。。
話が少し変わるんのだけども、この映画見てて面白いなーと
思ったことがもう一つありました。
それは、アメリカのラッパーは有名なミックステープDJのテープ・
CDの中で自分のラップをプロモーションしてもらって、成り上がって
いる人が多いということ。これは日本には見られない文化。
日本のラップ・アーティストもこういう試みしてみても面白いんではないかと
思う。この映画が公開されたのが2005年で3年近く経って、
ヒップホップ好きの少なくない人数がこの映画を見てるはずなのに
こういう動きをとるラッパーがいないのは何か他にバイアスがあるのか。。。
あ、あと感じたことがもう一つ。
それは日本のミックステープのリスナーとアメリカのミックステープの
リスナーとではミックステープの捉え方が若干違うのかなと感じたこと。
この映画を見る限りでは、アメリカのリスナーはそのDJのミックスだとか
グルーヴ感とかトラックとトラックをくっ付けて別の楽曲作ってしまうといった
「センス」の部分を買う際の判断基準にしているのに対して、
日本ではそういった「センス」よりも、いかに多くの流行っている曲が
そのミックスCDに入っているかが買うときの判断基準になっている
気がします。
実際Manhattan Recordとかでランキングの上位になっているのは
「200x年 上半期 Best」といった類が多い。
実際聞いてみると、ただ流行りものを順番につなげただけで全然ノれない。。。
これこそアーティストを食い物にしてるな!って感じです。
少し前まではミックステープを出すDJというのは有名クラブで実際に
現場で回している人が中心だったのに対して、最近はターンテーブルを
使わなくてもPC上で少し勉強すれば使えてしまうようなMix用のソフトが
流通するようになってきたことが、こうした傾向に拍車をかけている
気がします。
まだまだ書き足りないんだけど、愚痴っぽくなってきたのでこのへんで(笑)
自分も10月のイベント向けのMix CDを
そろそろ作らねば!!!(Promotional Use Onlyです!(笑))