育児などの長期休暇と、その後の仕事について考えてみたいと思います。

「三つ子の魂百まで」と言われます。
人間がまだ真っ白な頃、産まれたての時期、成長の初期に浴びる、人間界の価値観は大切だと思います。

でも、特に都会で、かも知れませんが、現代の多くの女性は育休期間が終わってしまうと社会復帰するので、1年間程度しか、自分の子供とずっと一緒にはいられません。
社会復帰するには、保育園に子供も預ける必要が有ります。そうすると、子供は保育園の保母さんの影響を受けることに成ります。

勿論、夜や休日など、お母さんやお父さんとの時間もあるでしょうから、全てが保育園の保母さんの影響では有りませんが、平日のほとんどが、保育園の保母さんの、その上、「毎日、担当の保母さんが日替わりに成ってしまったりするので、人間としての早い時期に、いろいろな価値観が混ざって本当に良いのだろうか!?」と真剣に考えてしまいます。

ただ、誤解して欲しくないのは「保母さん達の価値観を否定している訳では無い」と言うことです。お母さんが入園させる前に、保育園の保母さん全員に会う訳にもいきませんので、「『自分の子が、幼少期に良く知らない人の価値観を浴びる』ことに成るので良いのか!?」と心配しているだけです。

まぁ、それで言ったら、幼稚園や小学校に上がれば、友達や担任の先生の価値観も浴びることに成るので、あまり心配する必要も無いかも知れません。
ただ、繰り返しに成りますが、産まれたての子供が多様な価値観を浴びて良いのか、は以前として心配には成ります。

視点を変えて考えてみると、日本社会では、職場に育児休暇後の女性が戻れる席が少ないのも事実です。
かと言って、団体側や企業側からすれば、必要な業務なので、人員を当てている訳ですから、その人が不在の間、その職責をずっと空席にしておく訳にもいかない。それが企業や団体における、重責を担う職位なら尚更です。

これは男性が育児休暇を取得しても同じです。日本社会がより進化し、男性も今より育休を取るように成れば、今は女性だけに観えている現象も性別を関係なく、起こり得ることに成ります。

ある人が産休や育休を取ると、企業や団体は代わりの人を異動させることになります。妊娠や子育ては、どの段階で母親や父親が働きに戻るかにもよりますが、本来なら、数ヶ月から数年掛かってしまいます。これだけの期間を経てしまうと、代替要員は代替要員で終わらず、それが普通となり、代替要員で来た人が正規の配員として、職務が周り出してしまいます。

そこに、産休&育休した、元の所員が復活した、として、その時、現要員である元代替要員に「お役御免」と言う訳にはいきません。こんな状態が現実的に起きているので、産休や育休を長く取れば取るほど、元の場所、元の職責には、戻れなく成ってしまいます。

「その団体に所属していれば·····」、とか、「その企業にいるだけで“幸せ”」と感じている人は、ほとんどいないでしょう。
多くの人がその“仕事”や“業務”に、やり甲斐などを感じる場合が多いと思います。
その仕事や業務を本人が気に入っているとしたら、余計、問題は重くなってしまいます。

G7の先進国の出生率で観ると、日本は6位であり、日本より下位なのはイタリアのみ。1位のフランスは、日本より3割くらい高い状態です。

理由を調べて見ると、フランスではベビーシッター制度が発達しているようです。
日本のお母さんは、保育園に預けながらも『自分が育てる』という意識をお持ちのようですが、フランスのお母さんは『産むだけ』と割り切っているのでしょうか!?

確かにベビーシッターなら、まず選ぶ時に人を選定できるし、ベビーシッターは多分子育てを経験された方が多いでしょうから、より安心な上、一人の方に預ける形になるので、影響を受ける価値観も限ることができます。

ただ、日本では「ベビーシッターを利用している」って言う話を、あまり聞きませんし、「ベビーシッターを職業にしている」って方もあまり聞きません。実際、あまり普及していないようです。

何故なんですかね!?
これは、想像なんですが、日本の家事情と費用の問題が大きいのだと思っています。
フランスなど、海外の家の全てを覗いている訳では有りませんので、あくまで代表例でしょうが、欧米は家も広く、ベビーシッターが入る部屋も家の中で限定できるのでしょう。
でも、日本は、特に赤ちゃんを産むような年齢層の多くの方々は、まだ収入も低く、借家にしても社宅等にしても、そんなに大きな家に住めません。そうなると、他人であるベビーシッターを家に入れようとすると、家中を片付ける必要があるし、洗濯物や食べ終わった食器なども、都度、ちゃんと片付けたり、洗ったりしなければならなく成ります。ただでさえ、親業と社会人兼任で忙しい人が、出かける前に家中を整理してから出かけるのは、結構大変でしょう。

また、費用面も捨て難いですよね。例えば、ベビーシッターを時給1000円にお願いしたとしても、一日8時間預ければ8000円。月に22日間預かって貰ったら176,000円にも成ってしまい、ベビーシッターに預けて働いた給料がベビーシッター代に消えて行ってしまいます······。

お父さんなど、1人の収入だけで十分で、片方の親さんは、“人生のやり甲斐”の為だけに働いているなら、まだこれでも良いかも知れませんが、通常、共働きの場合は、両方の収入で家計をやり繰りしているはず·····。
となると、やはり日本の場合はベビーシッターを使える人は、ほんの一握りであり、ほとんどが保育園か、自分の親とかに預けることに成ってしまいます······。

仮に、ベビーシッターを日本の親さんがもっと活用すれば、最初に問題提起した「赤ちゃんに影響を与える価値観」については、ある程度、緩和できると思いますが、育児休暇後の仕事復帰については、対策が思い浮かびません。

費用の問題なら『親に出して貰う』とか、『国全体で出産や子育てなどを支援する』とか対策の方法もあると思いますが、「出産前や育児前と同じ職種に付きたい」という“立場”の問題は、その場所を空けてしまうと、元に戻れないし、親や国でもどうしようも無いですね。

これも、士業、またか何か資格等をお持ちの方で、それを使って個人事業主をやっていたり、そのような団体に勤務されていた方は、前の仕事と同じ仕事に付ける可能性が有りますが、官民問わず、企業や団体に勤務されている、いわゆる勤め人の方は難しいですよね。

フランスなど、先進国の割に出生率が高い国も、士業や個人事業主ばかりでは無いでしょうに、どうしているのでしょうね!?

“事実”は変えられないので、自分達の受け止め方など、価値観を変えるしか方法は無いのでしょうか!?

子供が出来ない人や産めない人もいる中で、私達は子供に恵まれた。その上、前と同じ職務に付きたい、と言うのは、贅沢な望みなのでしょうか!?

それとも、「子供も創る」「子供も産む」と決めた段階で、育児後はその後に仕事のやり甲斐を見つけ直す覚悟(?)がいるのでしょうか!?

私が知らないだけで、最早、今の親御さんは、これらを覚悟されているのでしょうか!?

更には、育児後も“同じ仕事”をしたい方は、サラリーマンとかには成らず、若い内から資格を取って、そう言う人生を歩む見通しというか、計画性が必要なのでしょうか!?

産休や育休に関係する話をして来ましたが、大病を患って、長期休暇を取った場合でも同じですね。「長期入院してしまったけど、元の職位に戻りたい。」という話は、あまり聞きませんね。大病を患ってしまった人は、「所属団体に迷惑を掛けた」という意識が強く、会社や団体に属せているだけで感謝し、付く職位などは問題に成らない、またはしないのでしょうか!?


佳人の話をお聞きすると、「人間、至る所に青山あり」とか、「根づいたところで咲きなさい」とか、おっしゃいます。

これから想像すると、“同じ仕事”とか“同じ職責”とか、価値観を決めず、囚われず、どんな環境であっても、与えられた仕事や新らな仕事などで、やり甲斐を見つけ、一生懸命取り組むことの方が大切なのかも知れません。

“同じ”と考えている時点で、最早、古い価値観かも知れませんし、そこしか「興味が湧かない」というのも、固定観念か、思い込みかも知れません。


でも、これって、自分で悟らないといけないのですかね!?
そう言う人生教育みたいって、どこかで行われているのでしょうか!?

“少子化”についても、“費用の補助”とか“待機児童ゼロ”も大事ですが、国会などでも、もっと仕事をしながら、出産や育児をされる方々の身になった議論をし、若い人達が幅広い、いろいろな価値観を見い出せるような政策立案もして欲しいですよね。

そうしないと、いつまでも“女性の社会進出”も、“少子化”も、根本的な課題解決は難しいと思います。