印高裁、同性愛者の性交渉容認
2009.7.2 19:57MSN産経ニュース
【ニューデリー=田北真樹子】
インドのデリー高等裁判所は2日、同性間の性交渉を合法とする判断を下した。
インドでこうした司法判断が示されたのは初めて。同性間の性交渉を禁じた刑法第377条は英国植民地時代の1860年に制定され、「植民時代の遺物」として人権団体などから非難の的になっていた。
制定から約150年を経ての今回の司法判断を、同性愛支持団体「歴史的だ」と歓迎している。
同性愛者の権利を求める非政府組織(NGO)は2001年に、377条を見直すよう請願していた。
高裁の判断はこれを受けたもの。この条項は、同性間の性交渉などには10年の禁固刑を課すと規定している。
このため同性愛者が警察官から恐喝されるケースなどが相次ぎ、また同性愛者であることを公にできないことから、エイズ感染症予防の支援の手が届きにくい環境にもある。インド国家エイズ抑制機構(NACO)によると、2006年の時点で、国内のエイズ感染者は250万人(推定)に上る。
今回の判断は他州にも影響を与えるとみられる。だが、インドは首都のニューデリーでさえ、人前で男女が手をつなぐことも許容されにくい保守的なお国柄だ。それだけに同性愛者の性交渉を認めた司法判断への強い反発が予想され、論議を呼びそうだ。
最大規模のモスク、ジャマー・マスジットの指導者は「同性愛を合法化するのは絶対に間違っている」としている。