この怪我をするまで頚髄損傷なんていう言葉を聞いたことがなかった。怪我をした当初は何のことかわからずただ体が動かなくてどうしようもない気持ちだった。

入院して落ち着いたころ先生が病室にやってきて身体のことについて説明してくれた。どういった症状でこれからどうやって回復とリハビリをしていくかなどを聞いてもこれほどの重症さに全然実感がわかない。一生車いす生活になるかもしれないと分かっていてもまだ治る可能性がある、希望はあると思ってしまう。もちろん希望をもつことは大切だとは思う。だけどその思いが強いほど現実から逃げてしまっている、本当の現実を見るとつらくなってしまう。そうやって毎日ベットの上で考えていると気持ちが不安定でとてもしんどかった。