息子が中学生の時に、学校行事で富士山の麓にある山の村というところへ宿泊訓練にいきました。

学校から、訓練先で読ませるので子どもへの手紙を書いて下さいと親への宿題が出されました。

大概こういうものは、母親に役目があてられます。(苦笑)

以下の文章は、その時に書いた手紙です。

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Sへ(息子の名前)

実行委員として準備ご苦労様でした。
頑張った成果は出ていますか?
口うるさいお母さんと離れて解放感を感じていることでしょうね。
この3日間は先生方・友達・仲間が家族ですね。仲良く楽しく生活できますよう願っています。

先生から父兄への宿題ということで“手紙を書いて下さい”というので書いていますが、お題が“子どもの頃のこと”…何から書いていいのやら… それなので断片的ですが書きますね。

Sも知っているようにSが生まれる前にお母さんは一人赤ちゃんを流産しました。そのあとすぐに不妊治療といって子どもができにくい体質の人の為の治療を受けました。毎週のようにお尻に注射(ホルモン剤)をして、薬を飲んで、とっても大変でした。そうしてやっとできたのがSです。まだお腹の中にいるときに何度も死にそうになって(流産しそうになったんだよ。)とうとう生まれるまで絶対安静にして下さいということで病院に入院。3ヶ月以上、ベッドの上での生活をして、大事に大事にして生まれてきたS。無事に生まれてくれて、しかも元気度(アプガール指数)10点満点で、うれしくて、うれしくて、宝物でした。(今でも変らず宝物ですヨ!)
命というものは、とってもこわれやすく、だからとっても大切なものだということを、この時にお母さんは感じました。
自分の命、人の命… 守っているのは誰でしょう?何でしょう?大切なのは、命を大切なものと思う“心”だと思うのです。
その心がSにありますか?
戦争がなくならないこの世界で“命”と“心”を大切にして生きて欲しいと思っています。

最近のSは、ずいぶんと大人になってきたなと思います。
いつもおこってばかりのお母さんですが、認めているところはちゃんと認めていますよ。欠点ばかりじゃない自分。自分の良いところに自信を持って、前向きに進んで欲しいです。(名前のごとくね。)
あとは周りへの思いやりをわすれずにね。

3日間寝食を共にする家族を大切にして下さい。
実行委員として頑張ったことが、大切な思い出になることを心から願っています。

体に気をつけて、頑張って下さい。


   母より



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読み返してみると気恥ずかしい気もしますが、命と心の大切さを伝えたい…集団生活の中で一緒に過ごす人達を大切に思って欲しい…そんな主旨の手紙だったかな?と思います。

22歳になった息子。
家族を大切にしてくれる人に成長しました。

職場仲間、友達、うちの家族だけでなく、自分の周りの人達を大切にしていって欲しいと願う母です。