これは
30年近くも前の
お話です。

まだ私が結婚前…
病院勤めをしていた頃です。

家族は
おじいちゃん
おばあちゃん
父母


当時姉は嫁いでいました。

おじいちゃんは脳梗塞で倒れ
片マヒと失語障害で
在宅での寝たきり。
家族皆での介護ではありましたが
主にはおばあちゃんが
農作業をしながらも
世話をしていました。

ある日、おばあちゃんが下血!
直ぐに私の勤める病院で検査…
結果は直腸癌。

入院、手術となりました。

さあ、大変。

農作業だけでも忙しいのに
おばあちゃんの看護、
おじいちゃんの介護、
家の家事…

そして今後の事…

母は膠原病を患い病弱…

弱気になった母が私に
「仕事やめてくれないか…」
そう言いました。

私も母を助けてあげたかったけど
当時とても仕事を
やめられる状況ではなくて…


直腸を切除し、
人工肛門になったおばあちゃん。
幸い年寄りだから進行も遅く
他への転移もなく済みました。

入院中は朝仕事前に世話をし
お昼休みに世話をし
仕事後に世話をし…
出来ることをやりました。

当のおばあちゃんは
人工肛門になったこと
慣れない入院生活で
かなり落ち込んでいました。

このままでは、
おばあちゃんも寝たきりに…
そんな不安が頭を過りました。

どうしたらいいんだろう…

先ずは家で撮った
おじいちゃんの写真を
ベッドサイドのテーブルに
見えるように飾りました。

個室だったので
ベッド正面の壁に
お手製のカレンダーを
飾りました。

そして言いました。

「おばあちゃん、
おじいちゃん待ってるよ!」

って…

愛のチカラって凄いですね。
それまで私や看護師さんに
やってもらっていた
人工肛門のストマやパウチ交換を
自分から積極的に
やるようになって
「早くおじいちゃんとこに
帰んなくちゃ!」
が口癖に…
医師も看護師もビックリの
驚異の回復力で
おばあちゃんは退院しました。

退院後は、
以前と変わらずに
おじいちゃんの昇天まで
立派な介護をつとめあげました。


写真のニッコリ笑う
おじいちゃんの顔…

†流れる~衣~今日の一歩†-NEC_1436.jpg

おじいちゃんへの愛が
おばあちゃんに
チカラを与えたのだと
そう思います。

†流れる~衣~今日の一歩†-NEC_1437.jpg


自分の為に生きること

もちろん大切

愛する人の為に生きること

パワーは倍増するんだね。

私もおばあちゃんに負けずに
生きたいです。