06年は入院こそありませんでしたが、妻にとっては闘病の1年間だったと言えると思います。
いつもの妻の手帳には、どこへ行ったとか、誰と会ったとか、細かい日常が綴られていることが多く、それがとても自分の記憶を呼び覚ます格好の材料になったものです。ところがこの年に限っては、クスリの分量や通院の記録ばかりで、日常でそれなりのイベントがあったはずですが、全く記述がありません。
自分なりにこの年の記憶を呼び覚ましてみると、ひとつ大きな出来事がありました。
前にも書きましたが、妻は大のイヌ好きでした。93年に皇太子の婚礼の際、雅子様が実家で飼っていられる愛犬がヨーキーだったことで、ヨーキーが大人気になったことがあります。妻はその数年も前から実家でメスのヨーキーを飼っており、息子も生ませて2匹のヨーキーを育てておりました。私たちは休日は2匹を連れて、森林公園に散歩に行くのが日常になっていました。しかし、イヌの寿命は10数年です。母犬に続き、息子犬も05年5月に亡くなりました。
小学2年生になった長女も母親の影響でイヌが大好きになりました。私たちはいつしか買い物ついでにペットショップを覗くのが日常となっていました。
10月のある週末、いつものお店で可愛い子犬を見つけました。生後5ヵ月のメスのチワワでした。長女が一目で気に入り、飼いたいと言いました。妻も可愛い、可愛いと値段も聞かずに購入を決めてしまいました。初めて我が家にイヌの家族がやって来ました。