1992年7月17日東京ドーム
僕に似て野球大好きの9歳の息子を連れジュニアオールスターを見に行った。

巨人戦だとなかなかドームのチケットは入手が難しいので、ジュニアオールスターならということで、息子をドーム初観戦に連れて行った。

回は進み、
特に見どころもなく面白い試合ではなかった。

後日息子と話しても、あまり面白い試合じゃなかったよねという話題であった。

2年経つまでは。


1994年オリックスの監督になった仰木彬は彼をレギュラーに起用し、彼はそれに応え安打数の日本記録を更新するほどの活躍をする。

その年の夏頃には、あまり面白くなかったねというその試合の話の矛先も変わり始めた。

あの時、代打で出てきて決勝ホームランを打ってMVPになった鈴木って覚えてるか?

あれがイチローなんだよ。

って。

あまり面白くなかったという試合の印象が、イチローがホームランを打ってMVPを取った試合を生で見た。

そんな自慢の種に変わった。

パ・リーグの2軍の試合、選手に関しては報道もまずされることはないし、かなりの野球好きでもなかなか知ることはない。

当然僕たちも、

代打に出てきたオリックスの鈴木ってだれ?

そんな状態だった。

身体も大きくもないし、華奢で、見栄えも凄い選手になるような感じではない。
それが代打で出てきていきなりきれいなホームランを打った。

正直言えば、
引退してから振り返ると、これが彼のプロ生活での最高の瞬間になるんだろうな?

そんなことを思ったものだ。

本当に申し訳ありませんでした!!!!