『見えない力』
辺りは真っ暗で、唯一の光は携帯電話から発せられる画面の明るさのみ。
聞こえる音は布団の擦れる音。
それと寝息。
こんな状況が至福の時。
隣で上の息子が寝ており、その隣で妻が寝ており、さらに奥で下の息子が寝ている。
暗闇の中で携帯をいじっている私。
下の息子を出産する為に妻が半年程実家に帰っていた時期がある。
その時の自分はどこか精神的な安定が取れていなかった。
平日は家族と話す時間は無い。
しかし、同じ部屋に全員いる。
手を伸ばせば息子に触れる事が出来る。
会話は出来なくても存在を感じる事で一体感を感じる。
マイナスイオンがたっぷり出ている滝を静観するよりも癒される。心の疲れがスゥーと引いていく感じがする。
人間の持つ見えない力とは、とてつもなく偉大だと暗闇で1人感じる。
これが明日への活力となっているのだろう。