◆データ分析◆
日本最高賞金額を誇るGI 中のGI!「第31回 ジャパンカップ」
2005年に勝利したアルカセットを最後に、最近の5年は海外馬の連対が途絶えているジャパンカップ。今年3月のドバイワールドカップで日本馬がワンツーフィニッシュを決めたように、日本の競走馬のレベルはジャパンカップが創設された当時とは見違えるほどに上がっていることは間違いない。しかしながら、今年も世界からやってくる強豪に注意を払わないわけにはいかないだろう。日本対世界、今年はどちらに軍配が上がるのか。まずは過去10年間のデータを参考に、ジャパンカップの特徴と傾向をチェックしてみよう。
単勝1番人気馬は崩れなし
過去10年のこのレースでは、単勝「1番人気」に支持された馬の3着内率が100%。単勝オッズ別にみてみると、「2.9倍以下」ならば同じく3着内率が100%となっている。中山競馬場で行われた2002年は9番人気ファルブラヴ→11番人気サラファンで決着したが、全体的な傾向としては、人気サイドが信頼できるというデータになっている。また、単勝4~5番人気、単勝オッズ10.0~14.9倍に支持された馬もなかなかの成績。妙味ありとして狙うなら、このあたりかもしれない。
3~4歳馬が優勢
過去30回のこのレースの優勝馬のうち、6歳以上だったのは1986年のジュピターアイランド(7歳)、1989年のホーリックス(6歳)、そして2003年のタップダンスシチー(6歳)の3頭だけ。過去10年の結果をみても、若い世代が優勢という傾向は明らかだ。なかでも好成績を挙げているのが「3歳馬」と「4歳馬」となっており、今年も注目が必要だろう。〔表3〕
関西馬が圧倒
過去10年のこのレースでは日本馬が海外馬を圧倒する成績を残しているが、その内訳をみてみると「関西馬」が6勝、2着8回と断然の成績。「関東馬」は2勝にとどまっているが、その2頭はともに前走を勝利していた(2004年ゼンノロブロイ、前走:天皇賞・秋。2008年スクリーンヒーロー、前走:アルゼンチン共和国杯)。ちなみに「地方競馬所属馬」は、すべてコスモバルク(ホッカイドウ競馬)による成績だ。一方の「海外馬」は3着以内に4頭が入っているが、東京競馬場で行われた過去9年を対象にすると〔1・0・1・47〕(連対率2.0%、3着内率4.1%)となっている。〔表4〕
前走・前々走の成績にも要注目
ジャパンカップでは毎年、『前2走が「GI」と「GIIまたはGIII」で、少なくとも1度は連対しているが連勝はしていない』という条件に該当する馬が毎年連対していることがわかった。また、表に入っている該当馬はすべて、前2走が5着以内と大崩れしていないのも特徴として挙げられる。今年もそういった戦歴をもつ馬に、チェックを入れておくことをおすすめしたい。〔表5〕
出走馬情報
国際招待レースとして1981年に創設され、今年で31回目を迎えるジャパンカップ。創設当初は海外馬の強さばかりが目立ったが、近年は日本馬が圧倒的に優勢となり、現在5年連続で優勝している。今年の海外馬は、エリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーの回避で4頭と少頭数になったものの、凱旋門賞の優勝馬と2着馬をはじめ、近年まれに見る強力な顔触れ。しかし、迎え撃つ日本馬もドバイワールドC優勝馬や昨年の年度代表馬を筆頭に、現役屈指の大物が集結した。国内外の超一流馬が一同に会し、ワールドクラスの戦いが繰り広げられる。
日本馬
日本馬の中で、近走成績が最も優秀なのはヴィクトワールピサ(牡4・角居勝彦)。昨年暮れの有馬記念では、同年のJRA賞年度代表馬に輝いたブエナビスタをハナ差の2着に退けて優勝。さらに、今年3月のドバイワールドC(メイダン・オールウェザー2000m)を、日本馬として初めて制した。その後は遠征先でのアクシデントが続き、今回は8か月ぶりの実戦となるが、10月上旬から栗東トレーニング・センターで入念に乗り込まれており、臨戦態勢は整っている印象。長く実戦を離れているだけに、レース勘という意味では不安も残すが、底力で好勝負に持ち込む可能性が高い。
ブエナビスタ(牝5・松田博資)は、2歳時に阪神ジュベイナイルフィリーズ、3歳時に桜花賞・オークス、4歳時にヴィクトリアマイル・天皇賞(秋)と、GI・JpnI を5勝。2010年にはJRA賞の年度代表馬、最優秀4歳以上牝馬に選出された希代の名牝だ。5歳を迎えた今年は4戦して未勝利だが、国内では初めて3着を外した前走の天皇賞(秋)4着時でも、JRAレコードで優勝したトーセンジョーダンと僅かに0秒3差。まだ衰えを見せたと見るのは早計だろう。休み明け2戦目でパフォーマンスを上げてくる公算大だ。
今年に入って重賞3勝、前走の天皇賞(秋)でGI 初制覇と、ここにきての充実ぶりが際立っているのがトーセンジョーダン(牡5・池江泰寿)。その天皇賞(秋)は、2008年の優勝馬ウオッカがマークしたコースレコードを一気に1秒1も更新する、1分56秒1という驚異的な優勝タイムでのVだった。激しいレースだっただけに反動が気になるところだが、前走後も順調に調教メニューを消化しており、ダメージが残っている印象はない。芝2500mのアルゼンチン共和国杯を制しているだけに、芝2400mへの距離延長はまったく問題ないだろう。
ローズキングダム(牡4・橋口弘次郎)は、昨年のジャパンカップ優勝馬。1位入線したブエナビスタが走行妨害で2着降着となり、2位入線から繰り上がりでの優勝だったが、不利を受けたのはこの馬自身。決して恵まれたものではなく、堂々たるGI 勝利と言えよう。レコード決着となった前走の天皇賞(秋)では、4番人気に推されたものの10着と思わぬ大敗を喫したが、前々走の京都大賞典は斤量59キロを背負って完勝。決して能力に陰りが出ているわけではないはずだ。ベストの舞台と言える東京・芝2400mなら、底力を見直す必要がある。
ペルーサ(牡4・藤沢和雄)は、超高速決着となった前走の天皇賞(秋)で、後方待機から長くいい脚を使って3着に健闘。昨年の年度代表馬ブエナビスタ(4着)に先着を果たした。昨年の天皇賞(秋)でも、ゴール前では桁違いの伸び脚を見せて2着に食い込んでいる。まだGI のタイトルは保持しておらず、重賞勝ちも3歳時の青葉賞のみだが、潜在能力は今回のメンバーに入ってもまったく見劣らない。前走の天皇賞(秋)は約6か月ぶりの実戦での好走だったが、その後も上々の気配を保っており、反動はなさそう。むしろ、叩かれた上積みが見込める状況だ。
日本の3歳馬では、ただ1頭の参戦となるのがウインバリアシオン(牡3・松永昌博)。日本ダービー、神戸新聞杯、菊花賞と、現在3戦連続2着に敗れているが、先着を許した相手はすべて、圧倒的な強さでクラシック三冠を達成したオルフェーヴル。一連の戦績から、現3歳世代のナンバー2という評価は揺るぎない。菊花賞後もすぐに栗東坂路で乗り込みを再開できたように、体調は引き続き高いレベルで安定している印象。古馬と初対戦になる今回、世界最強クラスが相手となるだけに、条件は決して楽ではないが、未知の魅力に溢れている。
ヒルノダムール(牡4・昆貢)は、昨年のクラシック戦線では皐月賞2着、日本ダービー9着、菊花賞7着と無冠に終わったが、4歳を迎えた今年の春に本格化。4月の産経大阪杯を1分57秒8のコースレコードで制して重賞初制覇を飾ると、続く天皇賞(春)も連勝。一気にGI ウイナーの仲間入りを果たした。その後はひと息入れて、世界最高峰レースの凱旋門賞に挑戦。結果は10着だったが、前哨戦のフォワ賞(いずれもロンシャン競馬場・芝2400m)では2着に健闘した。大敗明けで帰国初戦と不利な材料も少なくないが、天皇賞馬の底力は侮れない。
エイシンフラッシュ(牡4・藤原英昭)は、ハイレベルとうたわれている現4歳世代のダービー馬。その後は勝ち星から遠ざかっているが、4歳を迎えた今年も天皇賞(春)2着、宝塚記念3着など、大レースで接戦の連続。決して早熟タイプではないはずだ。前走の天皇賞(秋)は超ハイペースを好位で追走して6着に敗れたが、先行勢では最先着しており、内容は決して悪くなかった。日本ダービーを制した東京・芝2400mが舞台なら、狙い目は十分にあるだろう。
トレイルブレイザー(牡4・池江泰寿)は、1600万下クラスの身で格上挑戦した前走のアルゼンチン共和国杯で重賞初制覇を達成。2着馬オウケンブルースリが58.5キロのハンデを背負っていたのに対し、こちらはハンデ55キロと3.5キロの斤量差はあったが、好位追走から早めに抜け出す横綱相撲で後続の追撃を完封。地力強化を印象付ける勝ち方だった。ハイレベルな4歳世代の“遅れてきた大物”という評価がぴったり。一気に相手は強化されるが、勢いで上位に食い込みを狙う。
トゥザグローリー(牡4・池江泰寿)は、昨年暮れから今春にかけて大活躍。中日新聞杯で重賞初制覇を飾ると、続く有馬記念でも3着に大健闘。今年に入って、京都記念、日経賞と、さらに重賞タイトルを2つ上積みした。その後のGI・2戦、天皇賞(春)と宝塚記念は、いずれも13着と大敗を喫したが、夏場の休養を挟んで出走した前走の天皇賞(秋)では、優勝馬トーセンジョーダンから0秒6差の5着と、復調を感じさせる走りを披露。本来の出来に戻れば、上位争いに加わってくるだろう。
オウケンブルースリ(牡6・音無秀孝)は、2009年のジャパンカップ2着馬。優勝したウオッカを迫力満点の末脚で追い詰め、ハナ差の大接戦を演
々の走りを見せている。セールスポイントである息の長い末脚を活かせる展開になれば、出番も十分にあるだろう。
ジャガーメイル(牡7・堀宣行)は、2010年の天皇賞(春)優勝馬。豊富なスタミナが持ち味で、芝2400m以上の距離に良績が集中している。9着に大敗した前走の天皇賞(秋)は、やや距離不足だった印象が強い。昨年のジャパンカップは4着だったが、繰り上がりで優勝したローズキングダムとのタイム差は僅かに0秒1。7歳でも元気一杯だけに、軽視は禁物だろう。
■テレビCM
1着 ブエナビスタ
岩田康誠
2着 トーセンジョーダン
C.ウィリアムズ
3着 ジャガーメイル
四位洋文
単(2) 340円
複(2) 140円
(16) 430円
(1) 1,660円
枠連 1-8 970円
馬連 2-16 2,300円
馬単 2-16 4,180円
3連複1-2-16 80,880円
3連単2-16-1 324,680円
ワイド 2-16 980円
1-2 3,800円
1-16 15,860円












