ボーナスは淡々と進んでいった。
そもそも何を引けばどうなるのか、という基本的なことがわかっていないのだ。
とりあえず爺だから鳴らせばよいのだろう、くらいの気持ちだった。
そうこうしているとボーナス終了間際、何やら見覚えのある画面に。
「む?これギラギラ爺夏のムームーか?」と訝しんでいると、賑やかな音とともに、ジースプラッシュなるものが始まった。
どうやら上乗せ特化ゾーンらしい。
どうしたらよいのやら、手探りで回していると、150枚ほどの上乗せに成功した。
「なるほど、これでゲーム数を引き伸ばして鳴らしやすくするわけか。」
私は即座にポイントを理解した。
この理解の速さ、東進ハイスクールの講師陣も驚きだろう。
そしてしばらくすると、強チェリーから再びのジースプラッシュ。
これもまあまあの枚数を稼ぐことができた。
そしてすぐさま3度目のジースプラッシュ。
そこで現れたのは…
流石に驚いた。
あるとは聞いていたが、まさか初打ち初ボーナス中に見れるとは思っていなかったのだ。
その後もジースプラッシュが頻出した。
結果的には七度のジースプラッシュ突入。
おそらく初打ち初ボーナスではギネス級であろう(んなこたない)。
最終的にはここまで伸びた。
一発のボーナスとしてはかなり上出来だと思う。
大盤振舞に突入した後もちょこちょこと上乗せやボーナスを重ね、最終的には
なかなかまとまった出玉となった。
この段階で投資は8000円のまま。
今なら3万オーバーのプラスである。
ここでヤメれば何ら問題はないはずだ。
だが左の耳もとで悪魔がささやいた。
「パチンコの元手ができたね…」
その声に従い仮面ライダーや北斗・百烈、仕事人などを放浪し、気づいたら投資は3万5000円まで膨らんでいた。
ハッと我に返ったところで実戦終了と相成った。
投資35000円、回収42200円。
なんとかプラスはプラスで終わることができた。
だが、悪魔に身を委ねたために無用な戦いをしてしまい、何人かの諭吉っつぁんが旅立ってしまった。
この悲しい出来事を我々人類は忘れてはならないだろう。
「ノーモアちょっと浮いたからって、調子こいて打ちたい台を打ち散らかす行為!」と子々孫々伝えていこうと考えている。