カルデロン一家について
不法入国により国外強制退去を命じられた埼玉県のカルデロン一家への最終的な処分が下された。この問題についてテレビではほぼすべてが、大手新聞各社も一部を除けば一家の送還には否定的である。このような状況なのであえて言う。一家、もしくは両親は強制送還されるべきだ。
もちろん一家の娘であるカルデロン・のり子さんには、中学生という精神的にも繊細な時期にこのような立場におかれたことに深く同情するし、そのやり場のない悔しさが痛いほど伝わってくる。ただ今回の問題で一つ注意しなければならないことは、この一家のこの件が極めて象徴的なものであるということだ。背景には同様の不法入国関連の問題がごまんとあり、一家への判決が日本国の不法入国という国際犯罪に対する総体的な態度として受け取られるだろう。仮にその場しのぎの判決や対応が施されれば、これら不法入国の増加に更なる拍車をかけることはやはり避けられない。中には不法入国や不法滞在に対して規制緩和を求める声や、果ては移民フリーまで主張する連中もあるが、不法滞在王国なるありがたくないネーミングのあるこの国でこれらのイデオロギー的な主張が果たして合理的であるかどうかを彼らにぜひ伺いたい。今までは不法滞在者の子供が中学生以上ならその一家の在留がだいたい許可されるというのが主流であったらしいが、このような曖昧不明瞭、無責任極まりないやり方に一家の結末はあったのだ。(そもそも国が厳正な管理体制を働かせていれば、根本的に彼女のような不幸が起こるはずがなかったことも銘記しておく。)ただどちらにせよ、彼らも不法滞在という所在のない身分であるから社会の受け皿もそうあるわけではないし、不況の中では一般労働者との対立もありえるだろう。また、やはり後進国→先進国という構造になるわけだから不法入国者による犯罪増加がこの問題で最も危惧されるところだ。
今回の騒動は、不法入国・不法滞在に長年無関心だった日本社会に大きな動揺を与えた。わかったことは、これらへの安易な考えや対応は、不法入国者にもまたその国の国民にもまったく利点はないということで、つまり同情と法の運用とは別問題であるということだ。例のごとく民主主義だの、平和だの、大前提を掲げてマスコミと論調を合わせれば賢く見えると思うらしいこの国の風潮が顕著に見られた。だから今回の一連の騒動への行政、司法の決定には一定の評価を示したい。
