事件被害者の寺島です。あの日のことについてブログを書くと聞いて是非、私目線でも書かせて欲しいとお願いしてメールを通じて私の文章も掲載してもらいます。

第二章 被害者視点

7月11日、私の住むマンションで彼の会社が引越し作業を行っていた。彼がマンションのエントランスの床に養生シートを貼っていた。点字ブロックを覆っていて視覚障がいの方が困ってしまうと思った私は彼にシートを剥がすように伝えた。
何度か伝えたが彼は聞き入れなかった。何度も伝えてるうちに彼は怒り『めくらのことなど関係ない』と差別用語を使い逆ギレをしてきた。
私は我慢できず、勝手に剥がした。それは唯一の私の非として認めよう。すると彼は怒りライターを手に持ち『焼き豚にするぞ』などと言い顔に火を近づけた。驚いた私の顔を見た彼は『ロンパリ』と斜視を揶揄する暴言を吐いてきた。

仕事後、帰りが遅くなりその会社の問い合わせセンターの電話が繋がらなかった。そのため、文章で問い合わせをした。

7月12日、私が寝ていた時に電話が掛かってきた。どうやらその会社の地域のナンバー2の方からのようだ。その方から謝罪の言葉と詳しい経緯を聞かれた。私は彼のような差別主義者は世に出てはいけないと思い、クビにするように要請した。現時点では回答できないと言われた。
その後、本人の事情聴取後に電話が来た際に本人に取り繋いで欲しいと希望したが断られた。
そこでその会社に対して不信感が募った。

7月14日、私の仕事は夜遅く終わるため日付が回った頃に自宅マンションに着いた。すると自宅マンションの前にいたシルバーのプロボックスから彼が顔を出して、何かを叫んでいた。彼の顔を見た途端頭が真っ白になり、何を叫んでいたかは覚えてない。怖くて私は必死に走った。車から彼が降りてきて追いかけて来る。豚と言われたように私は太っているため、重い体で一生懸命走った。息が切れるくらい走った。オートロックの内側まで逃げ込んだ時点で彼は諦めて車に戻って行った。
自室に戻り鍵をかけて、電話対応をしてくれた彼の会社の上司に電話をしたが深夜なので繋がらなかった。次の日の朝、彼の上司と繋がったためことの顛末を話した。すると彼の上司は『それは問題ですので確認します。』とだけ言い他人事のようだった。

その後買い物に行こうとマンションから出ると、まだシルバーのプロボックスがいた。
怖くて部屋に戻り、また彼の上司に連絡をした。すると彼が辞めたことを聞かされた。
その時の私にはそんなことはどうでも良かった。
私はピンチなのにも関わらず、警察への相談を進めずにその上司が状況確認に来た。
午後、透析帰りにそのことがフラッシュバックした。恐怖で家に帰るのが怖かった。
彼の上司に連絡するともう来ないように念書を書かせると言われた。その会社の対応もあり得ないと思った。

しばらくは恐怖で外に出れなかった。
幸い家族の顔はバレてないので家族は無事だった。一ヶ月程仕事を休み引きこもった。

あの事件から一ヶ月以上経った8月末。
歌舞伎町の行きつけのソープランドの待合室で犯人の彼と再開した。
私は恨んでいた。怒りが込み上げてきた。
しかし我慢をして歩み寄った。
彼も反省していて、お詫びにソープランド代を出してくれた。なので許した。その後バーでゆっくり話した。その会社でのストレスで彼はイラついていたということ。その会社の内部事情、全てを聞いて可哀想とすら思った。

9月3日、彼からメールが届いた。
このブログを書く許可だった。
是非書いてくれ、私の文章も掲載してくれとお願いした。それで今に至るのである。

これが私、寺島の目線での焼き豚事件の全容です。