🛤️一本道に宿る輝き
💬詩人・坂村真民との感動対談
精神科医・齋藤茂太が雑誌『致知』の企画で詩人・坂村真民(仏教詩人)との対談に臨んだ。真民氏の自宅で対面した際、茂太は深い感動を覚え、対談の終盤で語られた言葉「我行精進、忍終不悔」(自分の行いに精進し、耐え抜き、悔いを残さない)に強い影響を受けたという。
この言葉は『大無量寿経』から引用されたものであり、日々唱えることで自身の覚悟を心に刻み込む真民の姿に、深い敬意を抱いた。
真民の詩には、「詩人になるためではなく、人間として熟成するために詩を書く」という思想が貫かれている。
🧘愚直の美学
茂太は、真民の人生哲学を通じて「愚直」という言葉を胸に刻む。禅僧・良寛が「大愚」と自称したように、真民の揺るがない誠実さは、それ以上に崇高とさえ感じる。
修行を重ね、自己完成を果たそうとする姿勢には、「脇目もふらず一筋に道を行く」意志の強さが表れている。
🎵父・齋藤茂吉の決意
茂太は、真民との出会いを通して、父・齋藤茂吉(歌人/精神科医)の生き方を思い返す。茂吉の短歌
あかあかと一本の道とほりたり たまきはる我が命なりけり
この一首に、どれほど多忙で雑務に囲まれても、歌の道に生きることを選んだ揺るがぬ覚悟が詰まっている。愚直に信じた道を貫いた姿勢は、息子である茂太にも静かな勇気を与える。
✍️ささやかな誇り
自らの人生と向き合いながら、茂太は「精神科医三代目」としての歩みがささやかでも輝いていることを実感する。たとえ父や真民のような偉人に並ぶことはなくとも、与えられた道を誠実に歩む姿勢こそが生きる力である。
🌿こぼれ話①:詩と医療が織りなす共鳴
戦後、医師であり詩人として活動していた人物に、高田敏子がいる。彼女は診察室で患者の心の声を詩に落とし込み、作品として発表した。医療と表現が混じり合う新しい実践は、今でも医療人の創造力に刺激を与えている。
🌼こぼれ話②:道の哲学、現代ならマラソン
現代において「一本道を進む」哲学は、マラソンに例えられることがある。特に長距離ランナーたちは、自分のペースを守り、精神的な揺らぎを乗り越えて進み続ける。そのストイックさが愚直さに通じ、人生そのものを走っているような感覚を与えてくれる。
🎈ちょっと おしゃべり
最近では、電子書籍で詩集を読む人が増えました。ページをめくる感覚こそないものの、ふとした移動時間に言葉と向き合えるデジタル詩の時代。心を整える手段が、紙から端末へと移ろいつつありますね。
弟の北杜夫さんとのエピソードも興味深いです。北さんによると、茂太さんは大学時代に新年会でアドルフ・ヒトラーの真似をドイツ語風の演説付きで披露するなど、ユーモア溢れる一面を持っていたとのこと。このユーモアと柔軟な視点が、多くの悩める人々を支える原動力になったのかもしれません。
生涯現役を貫き、多くの著書や名言を残した茂太さん。彼の言葉は、「肩の力を抜いて楽しく生きること」の大切さを教えてくれますね!🍄
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