🚀空冷式シューズの誕生秘話
ある日、鬼塚氏が乗ったタクシーが故障。運転手が「水を入れ忘れた」と漏らしたその瞬間、冷却機構のアイデアが頭に浮かんだ。水冷式がマラソンシューズには向かず、結果的にバイクの空冷技術を応用し、空気で足を冷やす靴を開発。足裏に風が通るよう設計されたこの靴は、マメができないという驚きの効果を発揮した。
🧠バイオメカニクスの力
この革新的なシューズは運動力学=バイオメカニクス(生体力学)を取り入れたもの。人の走行時、衝撃によって足に180キロ近くの負荷がかかるとされ、それが繰り返されることで皮膚が過熱し、水ぶくれができる。この理論をもとに、ASICSは新たな研究施設を次々に設立し、常に実験と改善を続けている。
公式サイト →
https://www.asics.com/jp/ja-jp/
🔥修羅場こそ人間力の源
経営者として本物になるには、挫折や苦境を経験するしかない。病との闘いや拘留、企業破産など極限状態を乗り越えることで、人間としての奥深さが育まれる。鬼塚氏は、経営を「人間学」と定義し、その価値を何度も強調している。
👟こぼれ話①:アスリートとの共同開発
ASICSは過去、オリンピック選手との共同開発にも力を入れてきた。特にマラソン金メダリストの意見を聞きながら改良を進めたシューズは、彼らの練習過程に耐えうる設計と通気性を両立させたもの。その成果は、実際のレースでも高評価を受けている。
🕵️♂️こぼれ話②:ASICSのブランド名の由来
ASICSの名はラテン語の格言「Anima Sana In Corpore Sano(健全な身体に健全な精神)」の頭文字に由来している。この信念が、商品開発の哲学にも息づいている。ブランド名の由来からも、靴だけでなく“人の生き方”を支えたいという想いが感じられる。
🐙 タコの吸盤から着想を得たバスケットボールシューズ
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創業者・鬼塚喜八郎氏が、夕食の「タコの酢の物」を見てひらめいた。
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吸盤のような凹凸をソールに施し、ストップ性能を高めた「吸着盤型バスケットボールシューズ」を開発。
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ただし、止まりすぎてケガの原因になりかけたため、改良を重ねたというオチも
☕️ちょっと おしゃべり
最近は、靴だけでなく「座る」姿勢の研究も進んでいます。長時間のデスクワークで腰痛に悩まされる人向けに、骨盤を支える椅子が注目されているとか。人の動作すべてが科学される時代ですね。
ナイキ創業者フィル・ナイトとの出会いも興味深いです。フィル・ナイトがアメリカでオニツカタイガーの靴を販売する契約を結び、後にナイキとして独立する過程で喜八郎さんの指導が影響を与えました。このエピソードは、彼の寛大さとビジネスの先見性を示しています。
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