一見すると逆のような気がする、「公私混同せよ」とは。
💡チームを変える“公私混同”という発想
公私の区別を重んじるのが常識だが、神戸製鋼ラグビー部のゼネラルマネージャー・平尾誠二(元日本代表選手)は真逆の視点を示す。 「公私混同しろ」と指導する彼の真意は、チームを“自分ごと”として捉える感覚を育てることにある。ルールに頼るだけの体制より、一人ひとりの責任感と創造力が組織を強くする。
チームが良くなるのは、命令が飛び交う環境ではなく、個々のモラール(意欲)が少し向上するだけでも大きく変わるのだという。実際に強いチームは、役割を超えてメンバー全員が自分の立場で何ができるかを考えている。
🚀“自分のため”がチームの力になる
平尾氏はしばしば「自分のためにやれ」と選手に伝えていた。 これは一見自己中心的にも映るが、実際にはチームのために尽くす最短のルートだという。
公的な活動を“個人の志事”として向き合えば、責任感も本気度も自然と上がる。 こうした公私の重なりが、組織に新しい力を生み出すという。
🧠ルールよりも、個々の想像力
強固なルールより、想像力がチーム力を高める鍵になるというのが平尾氏の持論。 一人ひとりが状況を見て、自ら考えて動く力こそが真の強さだ。
この自発性を高めるには、命令ではなく内発的な情熱が重要。 現場に出ないメンバーですら、その力を持ちうるのが理想的なチーム像なのだ。
🧭チーム論のこれから
試合に出ない控え選手までもが「自分に何ができるか」と考える意識の高さ。 それが良質なチームを生む原動力であり、これからのチーム論において欠かせない要素だ。
優れた組織とは、個人がその組織を“自分のもの”と思える環境の中にある。 平尾氏は、こうした視点がこれからの社会形成にも必要だと語っている。
🗂プロフィールと参考情報
平尾誠二(ひらお せいじ) 元ラグビー日本代表選手/神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー ※1990年代に活躍したラグビー界のスター選手であり、組織運営にも革新的な考えを持つ指導者。 Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/平尾誠二
🫧こぼれ話①:控え選手からの革命
かつてのある大会で、控え選手が自発的に練習計画を提案し、チーム力が一気に向上した事例があった。 その提案は主力選手も巻き込んで採用され、結果的に試合でも勝利を収めた。
このように“表舞台”に立たないメンバーの声がチームを動かすこともある。 「自発性を尊重する」ことの大切さが裏付けられた瞬間だった。
🫧こぼれ話②:会社でも通じる“公私混同”
ある企業の営業部では「公の仕事を個人の成果として誇れる空気づくり」に注力したところ、 部署の達成率が前年比120%以上に跳ね上がったという報告がある。
社内で公私の境をなくすことで、チームの責任感が爆発的に高まり、 結果的に個人のやる気と組織の成績が両方伸びた。
🧒 ラグビー誕生の瞬間は“反則”だった⁉
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1823年、イギリスのラグビー校でウィリアム・ウェッブ・エリスという少年が、サッカーの試合中に突然ボールを手に持って走り出した。
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「それは反則だ!」と叫ばれながらも、彼の行動がラグビー誕生のきっかけに。
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ラグビーワールドカップの優勝トロフィーは「ウェッブ・エリス杯」と名付けられている
🎐ちょっと おしゃべり
そういえば、ラグビーの試合って、見てる側もけっこう「自分が参加してる感覚」になりませんか? 不思議とサッカーにはこれが有りません。応援の熱量がやけに濃くて、選手の心とリンクしてるような気がすることが多いです。
スポーツって、観る人も含めた“チーム”なのかもしれませんね。
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「ミスターラグビー」と称された平尾誠二さんは、日本ラグビー界の象徴的な存在で、その革新性とリーダーシップで数多くの功績を残しました。高校時代に全国制覇を果たし、大学時代には3連覇の偉業を達成。さらに社会人として神戸製鋼で7連覇を成し遂げるなど、その経歴は輝かしいものばかりです
平尾さんは、常識に囚われない柔軟な発想を持ち、ラグビーの戦術やチームづくりに大きな変革をもたらしました。彼の自由なアイデアと率先垂範の姿勢は、多くの選手やファンに影響を与え続けています
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