ヒットの鍵は「本質」への洞察力

商品を売れるものに育てるために一番大切なのは、「そのもの の核」を見極めること。表面的なデザインやイメージだけに流されず、複数の視点で丁寧に観察し、多面的に理解する努力が求められる。

この洞察力を養うには、固定観念に囚われないことが重要だ。

前提をひっくり返してみる

佐藤可士和(クリエイティブディレクター、かしわと読みます)は、常識を疑う姿勢が創造の出発点になると語る。影響を受けたのはマルセル・デュシャン(フランスの前衛芸術家)。彼は1917年、男性用便器にサインを施し「泉」と名付けて美術展に提出した。これは「絵画とはなにか」という問いに対して、「そもそも絵を描く必要があるのか?」と疑問を投げかけた挑戦的な作品だった。

この行為は、アートの定義や本質を根本から揺さぶるものであり、既存の枠を大胆に破ることが創造の本質につながることを教えてくれる。

考えるより聞いてみる

もう一つの重要な要素は「ヒアリングの力」だ。佐藤氏はこれを「問診」と呼び、プロジェクトの始動時には相手の話を徹底的に聞く時間を重視している。じっくり悩みを聞き、問題点を炙り出すことで課題の核心が見えてくるという。

その際に大事なのは、自分の偏見を排除し、あくまでも中立の立場で耳を傾けること。相手が気に入るかどうかは関係なく、その人の言葉の「正しさ」に目を向ける姿勢が重要なのだ。

判断基準は「必要性」

感情に振り回されず、「それは本当に必要か?」という視点で物事を見ていくと、本質から外れずに済む。付き合いや好みに流されることなく、常に核心を見据えた判断こそがミスの少ない選択につながる。

こぼれ話:逆転の発想で生まれた意外なヒット

ある国内家電メーカーが、売れないとされていた「一人用炊飯器」に着目。従来のターゲット層ではなく、キャンプ愛好者や在宅ワーカー向けに宣伝を切り替えたところ、瞬く間にヒット商品に。背景にあったのは、「家電はファミリー向け」という常識を疑う視点だった。これは発想の勝利ですね!しかも当初はライバル不在の一人勝ち市場だった事でしょう。

また、異業種からの逆輸入アイデアとして話題を集めたのが、美容室で使うスチーマーを応用した野菜スチーマー。既存技術の流用によって新たなニーズを見出し、野菜不足の悩みに寄り添う製品として注目された。

こぼれ話:アートとプロダクトの交差点

京都の伝統工芸職人がつくるうるしのアクセサリーが、NYのデザイナーに取り上げられ、海外で高評価を得たケースがある。職人はこれまで「うるし=和の食器」という固定概念に縛られていたが、アート的観点でプロダクトを見直したことが新たな可能性につながった。

 

佐藤さんの異常性。

📏 椅子の間隔に“専用定規”を使うほどの完璧主義

  • オフィスの椅子16脚は、コンマ何ミリの誤差も許さない等間隔で並べられている。

  • そのために専用の定規を自作。自宅にも別サイズの定規があり、家族が触れた椅子も自分で並べ直すという徹底ぶり

ちょっと おしゃべり

最近、都内のカフェで「ガチャガチャ席」という新しい試みが話題に。コインを入れて席をランダムに決定する仕組みで、知らない人との偶然の出会いや会話が楽しめるとか。こういった予測不能なランダム体験もまた、新たな創造のヒントになるかもしれませんね。かしわさんと相席してみたい・・・笑

 

セブンイレブンのコーヒーマシンは意外にも、洗練され過ぎていて

解りにくい、とお年寄りには不要のようである。万人受けするデザインは難しいか・・・

 

彼の手がけた幼稚園「ふじようちえん」のプロジェクトでは、園舎そのものを「巨大な遊具」にするというユニークなコンセプトを採用。建築と子供たちの学びの場を一体化させた挑戦が世界的な評価を得ています

 

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