宮本祖豊(比叡山延暦寺円龍院住職/十二年籠山満行者) 公式情報:https://ja.wikipedia.org/wiki/宮本祖豊
限界は錯覚:「あと一回」が人生を押し広げる
比叡山で十二年にも及ぶ修行を経験した宮本師は、五体投地を何千回も繰り返す中で「もう無理だ」と思う瞬間にこそ、一歩先の力が湧くことを実感。「あと一回だけ」と唱えることで、自分の限界は実は心が作っていたと気づくようになる。精神的壁を乗り越えた先には、自分でも知らない可能性が待っているという。
先を見ない修行が「無」の境地に導く
修行の初期には、仏様に出会いたいという欲があったが、それが執着となり悟りから遠ざかってしまう。逆に、目の前の瞬間だけに集中したとき、初めて「無」に至れると理解。修行を終える見通しを持つと心が折れやすくなるが、終わりが見えない中で一日一日を生きる姿勢こそが本物の修行だという。
修行は仕事に通じる:日常に悟りの道を見い出す
宮本師は、厳しい修行こそが心を磨くとしながらも、一般人は仕事を通してそれを実現できると語る。今を生き切ることが、伝教大師が掲げた「一隅を照らす」姿勢につながる。与えられた場で感謝しつつ、全力で取り組めば、自然と悟りに近づくことができる。
人事施策に活かす:挑戦と感謝が社員を育てる
企業人事にとっても、宮本師の思想は大いに参考になる。社員が困難に直面したとき、あと一歩を踏み出す仕組みがあるか?「挑戦できる空気」「失敗を恐れない文化」が、社員の限界突破を支援する。
また「目の前の業務に全力を尽くす」という姿勢を持てるよう、短期目標の設定や進捗評価のシステムを構築することで、モチベーションを維持しやすくなる。プロセス評価を重視することで、成果主義の偏りを防ぐ工夫も必要だ。
組織への貢献が自己成長になる
社員が自分の仕事に誇りを持てるよう、評価やフィードバックの場を定期的に設けることが重要。また、リーダーシップ研修やキャリア支援によって、自分の役割がチームや企業全体を照らす「一隅」となれる文化を醸成することが望ましい。
「心を磨く」という継続的な成長支援
人事部門が、自己成長につながる機会を設計することで、社員は継続的に学び、企業も成長する。キャリア相談や学習支援の場を提供することが、組織全体の成長にも波及していく。
こぼれ話①:山奥の修行がAI思考にも影響?
比叡山での「無」の思考は、瞑想的な集中と断絶された外界がもたらしたもの。この精神状態は、近年注目される「ディープワーク(深い集中状態)」にも通じる。ビジネス書籍で話題のこの概念が、日本の伝統的修行法とリンクするのは驚きである。
こぼれ話②:プロスポーツ選手の「あと一回だけ」
一部のアスリートは、限界を感じた瞬間に「もう一回だけ」と自己暗示することで驚異的な記録を出すことがある。特にウルトラマラソンの世界では、宮本師の思考法と通じるエピソードが語られており、精神の壁を乗り越える力として注目されている。
宮本祖豊さんは、比叡山延暦寺の天台宗僧侶であり、特に「十二年籠山行」を戦後達成した僧侶として知られています。この修行は、最澄が定めた極めて厳しい修行で、12年間外界との接触を断ち、比叡山の浄土院で祈りと自己探求に専念するものです。
宮本さんは、「好相行」などの前修行を経て、十二年籠山行に挑戦しました。修行の中で、何度かドクターストップがかかるほどの厳しさを体験し、それでも乗り越えて目標を達成しました!
🧘♂️ “座禅中に寝る”のは実はよくある⁉
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座禅は集中力が求められるが、長時間の静止でウトウトする僧侶も少なくない。
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ただし、寝てしまうと「警策(けいさく)」という棒で肩を叩かれることも。
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叩かれるのは罰ではなく「気づきのため」。むしろ「叩いてください」と自らお願いする僧侶もいる。
ちょっと おしゃべり
ちなみに「一隅を照らす」天台宗の開祖、最澄の言葉
の考え方は、家庭でも実践可能。食卓を整える、子供に声をかける、ご近所に挨拶する。小さな行いが人を照らし、世界を少しずつ明るくする。これもまた、悟りへの一歩なのかもしれませんね。
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