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困難は解決策を連れてくる
川勝宣昭 DANTOTZ consulting 代表
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日本電産芝浦が業界首位に立ち、
なお成長軌道に乗ったところで、
私は2社目の再建を命ぜられました。

5年前と同じように、
ある日突然派遣が決まったのです。

 

その会社はエレベーターの速度制御機をつくる


ネミコンという社名で、
規模こそ1社目より小さいものの、
再建への道のりは遙かに難しいものとなりました。

 

会社規模は従業員が100名程度で、
売り上げ約40億円に対して年間8億円の赤字で、
永守重信社長から与えられたテーマは、
やはり1年以内の黒字化です。

 

なぜ難しいかと言えば、
新しい速度制御機をエレベーター製作会社に採用してもらうには、
試験期間に最低1年を要するという慣行がありました。

 

そのためいくら新規の営業に走り回ったり、
製品開発に力を注いでも、
 

1年以内の売り上げ増に繫がらない状況にあったのです。

悩んだ揚句に国内市場から目を転じ、
注目したのが当時開発ラッシュの続く中国市場でした。

 

調べてみたところ中国では
エレベーター製作会社の社長に
自社製品を気に入ってもらえれば、
僅か1週間で採用が決まるというのです。

 

 

一休み

エレベーターの有名な裏技として、間違えた階数を取消ししてしまう方法があります。キャンセルしたい階数ボタンをダブルクリックするか、長押しすることで、間違って押してしまった階数をキャンセルできます。子供がイタズラしたら、試してみよう。あれ連射するの楽しいんですよね笑

 

 

 

すぐに中国市場に打って出たことで、
 

翌月から売り上げ増が見込めるようになりましたが、
すぐに手放しには喜べないことが分かりました。

なぜなら中国の相手企業から支払いがなされないばかりか、
 

手形制度が存在しないため
訴訟に持っていくことすらできないという状況に直面したのです。

この時も必死に打開策を探し求めた結果、
上海にある国営商社と組み、そのナンバー2を動かすことで
相手企業に代金を支払わせることができました。

 

中国では企業と企業よりも、
人と人との関係が大きなウエートを占めているのです。
中国とはそういう商習慣の国なのです。

 

こうして八方手を尽くすことで
黒字化への道筋をつけたわけですが、
いかに困難な状況においても
何かしら行動を起こせば解決策は必ず出てくるというのが、
日本電産で得た一番の教えだったかもしれません。

 

「困難は解決策を連れてくる」

これは永守重信社長の言葉の中で
私が最も感銘を受けたものの一つで、
これに関連してこんな話をしてくれたことがありました。

 

「向こうから困難さんがやって来る。
誰でも困難からは逃げたい。
だから君も困難から逃げたいだろう。
しかし困難さんから逃げてみろ。
 

困難さんは脇を通り過ぎて行くが、
ひょっとその背中を見たら、
後ろに『解決策』というリュックを背負っているじゃないか。
逃げたら解決策も逃げて行くんだぞ」

生きた教訓とはこういうものかと思ったものです。

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🧠 世界初の“安全装置付き”エレベーターは公開実験で信頼を勝ち取った!

  • 1854年、アメリカの技術者エリシャ・オーチスが「安全装置付きエレベーター」を発明。

  • ニューヨークの展示会で、わざとロープを切っても落下しないことを実演し、観客を驚かせた。

🎭 映画の“落下シーン”はほぼウソ 映画でよく見る「ワイヤーが切れて落下!」という演出、実は現実ではほぼ起こりません。ワイヤーは複数本あり、安全率は定員の約10倍。さらに調速機と非常停止装置が作動するため、落下事故は極めて稀なんです
 

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