民営化の立役者として歴史に名を刻んだ土光敏夫氏。 昭和61年、電電公社や国鉄改革を完遂し臨時行政調査会はその使命を終える。 その功績により彼は民間出身者として異例の「勲一等旭日桐花大綬章」を受章した。
けれど栄光の陰で、彼の私生活は驚くほど質素そのものだった。
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🏠 鶴見の邸宅――まるで昭和初期のまま
彼の自宅は神奈川県・鶴見の閑静な住宅街にひっそりと佇む。 ギーギー音を立てる門や、足音が響く廊下。 東芝社長や経団連会長を務めた人物の家とは思えない控えめさで、 冷暖房も設置されておらず、訪問者は真夏の灼熱に驚いたという。
秘書が修理を提案しても「まだ使える」、 エアコンの設置にも「不要です」と頑なな姿勢を崩さず扇子を仰ぐ。 ただし「会社に支障が出るなら」と、 応接室だけにはしぶしぶ設置を了承した。
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🖋️ 「日新 日日新」――古典から引用した座右の銘
彼が色紙に好んで書いていた言葉は「日新 日日新」。 中国古典『大学』に由来するこの語句は、 “今日という日は天地創造以来初めて訪れる特別な一日” という考えに基づく。
「昨日を悔やまず、明日を憂えず。 今日という新しい時間に精一杯生きる」という信条は、 まさに彼の人生哲学そのものであった。
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🎒 持ち物にも宿る精神性
食事はメザシがごちそう。 スーツやカバンはボロボロになるまで使い、 ペンに至ってはインクがかすれても「まだ使える」と言い切る。 無駄を嫌い、公私のけじめを厳格に守る姿勢は生涯変わらなかった。
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🌸 受章後の余生と週一の訪問
受章後、体調を崩し自宅療養が中心になるが、 社内からの相談が絶えず、秘書が毎週訪問を続けた。 現場と離れても、周囲の信頼は厚く「土光さんに聞こう」という風潮は根強かった。
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✨ エピソード――“昭和のミニマリズム”として今見直される存在
令和の今、若者世代の間では“ミニマリズム”が再評価されている。 土光氏の生き方は、物を持たず、心を豊かにするという意味で、 現代のサステナブル精神にも相通じるものがある。 彼の質素な住まいは、Instagramで人気の「昭和レトロ暮らし」の先駆けだったかもしれない。
彼は「メザシの土光さん」という愛称で親しまれました。この名前の由来は、非常に質素な食生活から来ています。夕食にメザシ、菜っ葉、味噌汁とご飯を好んだ姿が多くの人に感銘を与え、特集番組でも取り上げられたほどです
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☕ 雑談:あなたは「今日の使い方」に自信ありますか?
ところで、みなさんは“今日一日”をどう過ごしますか? 朝からダラダラも良し、仕事に没頭も良し。 でも、「今日しかない」と思って過ごすと、意外と人生が色づくかもしれません。
たとえば、朝一番に窓を開けて深呼吸。 それだけでも、昨日とは違う一日になると思いますよ🌤️
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