「人並みに休んでいたら、凡人のまま終わる」
“限界”という幻を超えて
井村雅代(アーティスティックスイミング日本代表のヘッドコーチ)は、極限の練習を通じて選手を鍛えてきた。オリンピック直前の一か月間だけ練習量を減らし、それ以外は徹底的な稽古漬け。下手な選手には、10日に1回の休みだけ。上手くなりたいなら「人が寝ている間に練習せよ」が信念だ。
練習中に頻繁に使った言葉は、「無理をしなさい」「出し切って」。 昨今では企業で禁句かもしれないが、競技の世界では「当たり前」である。
小さな目標が秘める大きな力
井村氏は、「一ミリの努力」を選手に説いた。 いきなり10センチ高く跳ぶのではなく、まず1ミリずつ。
その1ミリが自信となり、達成感につながる。 こうした日々の小さな積み重ねで、最終的には驚くような成果へ。
「大きな夢のために、小さな目標を大切にしよう」 彼女が選手に伝えたメッセージには、日常に通じる教訓が宿っている。
限界を疑え
限界を感じる選手には、「その限界を指させるか?」と問いかける。 この言葉で、選手は自らが限界を“作り出していた”ことに気づく。
また、スポーツの基本概念「心技体」も、実は揃わないのが普通。 だからこそ、自分に欠けている部分を見つめ、残りの要素で補うのが本当の成長だと語る。
こぼれ話:井村式“努力論”、海外でも広まる
最近、韓国のアーティスティックスイミング界でも、井村氏の「1ミリ理論」が話題に。ある若手選手がSNSで「明日は1ミリ成長します」と投稿し、それが広まり多くの若手の励みに。
“成果を焦らず、自分のペースで積み上げていくこと”が、国境を越えて浸透している。
こぼれ話:プールサイドから飛び出したホワイトボードの言葉
井村氏が練習時に使うホワイトボードは、引退した選手たちの間でも“聖書”的存在。ある元代表選手は、ボードに書かれた「練習は嘘をつかない」を額に入れて部屋に飾っているという。就職後も、“あの言葉”が仕事の原動力になっているらしい。
リオオリンピックでは、最悪とも言われる環境で選手たちを鼓舞し、銅メダルを獲得しました。シャワーが途中で止まる、プールの水が濁るといった問題にも対応しながら、選手たちに愚痴を言わず、「この環境の中でこそ勝利が生まれる」と言葉をかけたことが印象的です
ちょっと おしゃべり
最近、自分の部屋のカーテンの色を替えてみました。 深めのネイビーにしたら、なんだか集中力が上がった気が…。 部屋の“空気感”って、意外と大事なのかもしれませんね。
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