→Trick-or-Treatのドッキリ(動画)←
普通はTrick-or-Treatと言ってお菓子をもらうけど、お菓子を配る側も悪戯をする家もあるよね。いい年をしているお父さんやお母さんが本気で
ふざけたりするのは、面白いというか、やっぱり"young at heart"(若い気持ち)を持っているのがいいなと思う。
「35xxxv」は、アメリカのラジオでよく耳にする、楽曲よりもプロデュースに力を入れている商業的なUS ROCK感があって(→US ROCKとUK ROCKの面白い比較と説明(日本語)←)初めは少し抵抗があった。前のアルバム「人生×僕=」は、ONE OK ROCKはどこかUS ROCKを代表するFALL OUT BOYのカバー・アルバムをしているようだった(実際、本人達はFALL OUT BOYとのインタビューで彼らから影響を受けていると語っている→FALL OUT BOY×ONE OK ROCKの対談←視聴回数が70万を超えててちょっとびっくりした)。しかし今回のアルバムではONE OK ROCKはまるで完全にUS ROCKをやっているかのように聞こえる(海外のインタビューで自分たちの音楽のジャンルを「ジャパニーズ・エモ」だと紹介しているし、別にUS ROCKをやっているという訳じゃないけど)。ギターとベースの音を抑えることによって、聴きやすい(加工音豊かな)ポップスになっている。正直、最初にこのアルバムを聴いた時、僕は少し…がっかりした(日本人のファンと同様に落胆した外国人のファンもいた→リンク(英語)←)。「これはJRockとはなんだか違うなぁ」と。でもこの数ヶ月間で、「35xxxv」を聴けば聴くほど、ONE OK ROCKはやっぱりたくさんのUS ROCKのバンドとは違うと感じてきた。US ROCKの、スタジオ・プロダクションに頼っているのではなくて、US ROCKとのバンドの交流によって、邦楽らしくないギター・フレーズで、US ROCKなりのシンプルなメロディーやノリを見出し、それを邦楽のバンドによく見られるような繊細な感受性で解釈しているようだ。「US ROCKってこんなノリだったんだ」と、本来のUS ROCKの魅力を感じたのと同時に、このようなロックセンスがある曲はアメリカのラジオではなかなか流れていないことを残念に思った。
「人生×僕=」がFALL OUT BOYのようなバンドのエミュレーションだったなら、「35xxxv」はUS ROCKを体験してそれを試みたという感じ(The UsedのJohn Feldmanがプロデュースの担当)。ぶっちゃけ一番好きなONE OK ROCKのアルバムじゃない。でも、裏切られたとは思っていない。むしろ、昔The BeatlesやU2が別の国での滞在で異文化のミュージック・カルチャーを吸収してその国の音楽を曲風に取り入れたように、バンドとしての成長のために他の音楽ジャンルじゃなくて他のミュージック・カルチャーを試して作られたアルバムのようで素晴らしいと思えてきた。FALL OUT BOYも好きだけど、彼らも違うミュージック・カルチャーを試してみたら、今度のアルバムは「American Beauty/American Psycho」ほど単調には聞こえないかもしれない。
TL;DR 「35xxxv」で、ONE OK ROCKはUS ROCKの逆輸入で僕が持っている商業的なUS ROCKに対する固定観念を変えた。このアルバムを聴けば聴くほど、出来がいいことに気づいて少し癖になった。ONE OK ROCKは少し自分のルーツに戻って(洋楽はルーツだから今回はルーツ探しだとも言えるけど)新たなサウンドを見出そうという気持ちがある。やっと色んなJRockのバンドが積極的にワールドツアーができる時代になって嬉しい。
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note ●今回の記事も一応US
ROCK、JRockなどという括りを使っている。しかしイギリスのメタルのルーツは、アメリカのブルーズにもある。アメリカのスラッシュ・メタルは、イギリスのNWBHMに由来している。国の特徴的な音楽性を定義するのは難しくて、差別的にもなりかねない。というか、いつかちゃんと音楽の評論家のように音楽に関する記事を日本語で書いてみたいけど、専門用語が足りないから、こうやって文化人類学的な視点から、アルバムやバンドに対する感想・意見を述べる。 ●最近の、世界征服!世界一!ような、表面で世界を目指す態度を取りながら、実際は妙に侵略的で排外的でもあるナショナリズムを感じるプロモーションは、一見多文化共生的に見えるけど実際は文化攻略が目的のようで危険だと感じる。VAMPSもそうだけど、ONE OK ROCKもワールド・ツアーをやって、ファンや他のバンドとはしゃいだりしているのを見るとなんだか安心する。 ●Taka
の英語力と英語の発音がまた上達している。The
Hiatus/MONOEYESの細美さんに近づいてきていて、英詩もかなりいい。日本やアメリカで一緒にツアーをやっているアメリカ出身のバン
ド、ISSUES、All Time Low、Sleeping With Sirensの歌詞よりも意識が高くて好きだ。
credit: nattan image credit: empathiac, jackxybooboo last update: 2015/10/01
最近、ネットに潜り込み過ぎて、少しネチズンになった気がする。前から政治やテクノロジーには興味があって専攻もそれに関するものだったけど、そうなったのは日本に来たためか、若しくは時代の流れなのかもしれない。ネットが普及して、各国の工作、捏造、プロポガンダなどが表面化してきて(youtubeのコメント欄はもう…→From Britain to Beijing: how governments manipulate the internet←イギリスから中国まで様々な国の荒らしによるインターネットの操作・工作についての、イギリスのThe Guardian誌の記事)、ネオコンやネオファシズムの登場や、ヘイトを流すことを生業にしている人達の書き込みを嫌でも目にしてしまうから疲れてきた。ネットの本来の中立性と自由さがなくなっているところを見ると、そこを出て現実世界で生きたくなってくる。これとは別で、ブラック企業で働いたことで(→「労働者としてのALT(外国語指導助手)についての一考察 ~公教育の非正規化、外注化の観点から~」←)脅しに合いPTSDになったり、自分には人権がないかのように平等に扱われなかったということを…忘れたいという訳じゃなくて、それらを乗り越えて、このような問題に向き合って、自分の存在を肯定したいという気持ちがある。黙っているだけでは、人はデマや固定観念に左右されているままだから、これからはある程度自分に素直に生きて自分の気持ちをストレートに語るべきだと思う。それは自分のためにも他の人のためにもなって、社会への貢献につながることになる。今までの経験から、他の障害を持っている人や人種・民族・性差別を受けている人達の力になれたらとも思っている。ボランティア活動とか、それはどうやってできるかがまだ分からないけど。