毎年、元旦の早朝に一人で初詣に出かける。
場所は船橋大神宮。大神宮とは名ばかりの、こじんまりした神社だが。

年をまたぐ時間帯には多くの参拝客で参道はごった返す。しかし明け方近くなると、人出は減って閑散としてくる。その時間を狙って出かける。
数時間前まで混みあっていただろう境内をすいすいと進んでお参りを済ませる。
賽銭を投げてから二礼二拍手をして頭を垂れる。掌を合わせて無事に家族が年越し出来たことを感謝すると同時に、新年が素晴らしい一年となるようにお願いする。真剣にお願いする。

それからおみくじを引く。書いてあることを心に留めてから、紙を細長く折って木の枝に結ぶ。
おみくじの袋には金色にメッキされた「おめでたいもの」が入っている。それは例えば「熊手」だったり「打出の小槌」だったりする。
去年は「達磨」だった。
何であれ、俺はその金属のミニチュアを財布に入れて一年を過ごす。
それが、ここ数年の個人的慣習となっている。

今年はK君も一緒に行くことになった。
職場の同僚だが、俺が初詣に行くのを知っていて「今年も行くんですか?」と訊いてきた。
「行くよ」と返すと同行したいと言う。
「今年はさんざんだったんですよ。だから来年は・・・」
はっきりしないが、そんな内容のことを話していた。

彼が俺の初詣に同行してまで叶えたい願いとは、一体、何だろう。
実は何となく分かるのだが、下種な話となるので年の瀬に書くのは控える。

これからダウンタウンを観て、ちょっとだけ寝て、午前3時過ぎに家を出ようか。

では、よいお年を!