先週「ラルフローレンのシャツ、やるよ」と言われていたので、双子兄宅へ取りにいった。
買ったはいいが、どうやらお腹の所がパツンパツンだったらしい。一卵性双生児ではあるが、現在は体型が少々異なる。俺の方が肥満の程度が軽いというか、傷が浅いというか。中年のメタボ腹を妊婦に喩えるのも失礼な話だが、妊娠6か月と臨月くらいの差がある。
で、ついでに持っていけとポロシャツと一緒に袋に入れられたのが以下の本である。
俺は嘘つきが大嫌いである。
正確に言うなら、面白い嘘つきは大好きだが、笑えない嘘つきは大嫌いだ。
例えば、遅刻の理由を問われて「熊に襲われた」なんて答えるヤツがいたら、俺はいっぺんで気に入るだろう。
「いやぁ、タマ(=命)を取るか取られるかの死闘でしたよ」なんて真顔で対決シーンを身振り手振りを交えながら再現されたりするならば、もう最高だ。
逆に「親父が事故に遭った」だの「母親が倒れた」なんて、おそらくただの寝坊なのに家族ネタを使うクズが俺のチームにいるが、それはやはり不謹慎であり言語道断である。
両者の違いはエンターテイメント性を含むか否かだ。
前者の「熊に襲われた」なんてあるわきゃないのであって「遅刻してすみません。本来なら謝るべき場面ですが、せめて僕はウソをついて笑いを取ります」と自らの非を認めた上で開き直ってみせる。
後者の「親父が事故に遭って」というのは自らの非を認めないどころか、それを信じる人々を裏切り、要らぬ心配までさせることになる。
そういう嘘を平気でつくなんてロクなもんじゃないが、残念ながら世間には割と多く存在するのも事実だ。そして、これも残念ながら、怒られたり注意されるのは常に「熊に襲われた」と笑わせる善人の方なのである。