安心空間
あるところに女の子がいました。
というより、女の子しかいませんでした。
あたりは一面のグレー。家もビルも道も車も木もありません。
上も下も右も左もない空間。
だからって全くつまらないわけじゃない。
ずーっと長い間待っていると、時々はじのほうからピンク色が混じってきてだんだんと赤くなっていくのだ。
そのうちにピンク色が赤になり
だんだん、赤がもう我慢できないというほど赤くなる。
そうすると下のほうからメラメラと火がついて、ゆっくり、でも残すところなく確実にグレーを焼き尽くしてしまうのだった。
火が全てを焼き尽くすと、そこには紙が焦げたような匂いと、真っ黒な空間ができる。
その真っ黒に包まれると、彼女は自分が目を開いているのか閉じているのかもわからなくなった。
押しつぶされそうに真っ黒なその空間
だけど実はグレーだけよりずっと安心感があって、彼女は気がつけばいつも眠ってしまうのだった。
黒がこれ以上ないほど行き渡ると
撒きあげられた灰が上からふわりふわりと降ってきて、
ゆっくりと時間をかけてまた空間を埋め尽くしていく。
そして彼女が目を覚ます頃にはまた一面グレーの空間にもどっている。
そんな空間だった。
いっぱい歩きまわった日もあったけれど、
結局どこまでいってもグレーなので
寝転がってただただグレー色の空が赤で満ちていくのを眺めているのが彼女の日常だった。
彼女には苦しいとか悲しいという感情が湧いてくることはなく
他に人もいないので寂しくもなかった。
そんな彼女にも日課がある。
「グレーに少しピンクが混ざる瞬間を逃さないこと。」
その淡くピンクがかったグレーを見ていると
何も考えられなくなり、しばらくみつめてしまう。
毎日みているけれど、飽きなかった。心躍る日も、苦しくなる日もあった。
彼女は自分の知っている色の中でこの色が一番綺麗だ、と思う。
そうやって彼女は「好き」という感情を覚えた。
というより、女の子しかいませんでした。
あたりは一面のグレー。家もビルも道も車も木もありません。
上も下も右も左もない空間。
だからって全くつまらないわけじゃない。
ずーっと長い間待っていると、時々はじのほうからピンク色が混じってきてだんだんと赤くなっていくのだ。
そのうちにピンク色が赤になり
だんだん、赤がもう我慢できないというほど赤くなる。
そうすると下のほうからメラメラと火がついて、ゆっくり、でも残すところなく確実にグレーを焼き尽くしてしまうのだった。
火が全てを焼き尽くすと、そこには紙が焦げたような匂いと、真っ黒な空間ができる。
その真っ黒に包まれると、彼女は自分が目を開いているのか閉じているのかもわからなくなった。
押しつぶされそうに真っ黒なその空間
だけど実はグレーだけよりずっと安心感があって、彼女は気がつけばいつも眠ってしまうのだった。
黒がこれ以上ないほど行き渡ると
撒きあげられた灰が上からふわりふわりと降ってきて、
ゆっくりと時間をかけてまた空間を埋め尽くしていく。
そして彼女が目を覚ます頃にはまた一面グレーの空間にもどっている。
そんな空間だった。
いっぱい歩きまわった日もあったけれど、
結局どこまでいってもグレーなので
寝転がってただただグレー色の空が赤で満ちていくのを眺めているのが彼女の日常だった。
彼女には苦しいとか悲しいという感情が湧いてくることはなく
他に人もいないので寂しくもなかった。
そんな彼女にも日課がある。
「グレーに少しピンクが混ざる瞬間を逃さないこと。」
その淡くピンクがかったグレーを見ていると
何も考えられなくなり、しばらくみつめてしまう。
毎日みているけれど、飽きなかった。心躍る日も、苦しくなる日もあった。
彼女は自分の知っている色の中でこの色が一番綺麗だ、と思う。
そうやって彼女は「好き」という感情を覚えた。

