こんにちは。

 

話が食べ物から教育分野になってきてるので、そろそろカテゴリーを変更した方がよさそうですね。

 

さて、「ロジカル=論理的」って言葉をビジネスシーンではよく見聞きしますが、ロジカルコミュニケーションやらロジカルファシリテーターやらいろいろありますね。

 

論理的であることがなぜビジネスでは重要なのかわかりますか?

 

日本以外のエンタープライズ(大企業)レベルのビジネスでは、阿吽の呼吸など基本なく、上司は会社に沿ったビジネス計画を立てるので、会社の動向が分かってれば上司が説明するまでもなく、ビジネスの動向を把握することができます。従業員は会社の目標とその動向を見て活動をしていくわけですね。

 

このとき、個人の解釈の違いで思わぬ方向に進んでしまったら、会社が考える方向に行かなくなってしまう可能性が出てきます。なので、ビジネスの現場では感覚的あるいは情緒的ななやりとりではなく、論理的なやりとりが必要になってきます。

大企業はたくさんの人が働いている環境なので、より論理的なやりとりが必要になってきます。そうすることで、目標に確実に沿った形でオペレーションができるわけです。

 

論理的なコミュニケーションというのは、理由を伴う会話であるとも言うことができます。対比してみてみましょう。

 

論理的なコミュニケーションの例

A: 製品群Xの市場を分析したところ、製品XXXの売り上げが先月大きく伸びていることが確認できた。XXXについては2か月前にプロモーションを行い、弊社への問い合わせが通常の10件程度から200件程度に急伸していた。つまり、XXXの売り上げ増はプロモーションによるユーザー反響の結果と考えられる。従って、ユーザー反響意識したプロモーションの実行を継続し、実績をどこまで伸ばせるかとその推移の観察が今後必要になってくる。その結果に従って投資継続および拡大の判断を行う。

 

論理的とはいえないコミュニケーションの例

B: 製品XXXの売り上げが先月大きく伸びていることが確認できた。伸びてる分野なので投資を継続して拡大したい。

 

一見いずれも論理的に見える話なのですが、まずは情報量の違いが大きいことが分かると思います。

そして、Aは想定される理由を述べてますが、Bは述べていません。

問題なのは、なぜ売り上げが上がったのかです。

Bは簡潔明瞭に述べているのですが、差し込める疑問がAよりもはるかに多く存在します。

Aは問い合わせの数が伸びたという事実と売り上げの拡大をリンクしていますが、実際にそれが正しいリンクなのかは不明です。しかしながら、与えられた情報の中で個々の情報をリンクしていくことで確度の高い関連性であることを訴求しているわけです。

「売り上げ拡大→投資を拡大」という流れは三段論法と同じで、論理的におかしいわけではありません。ただ、説得材料が少ない意思決定なのです。なので、ツッコミどころが多く、論理的コミュニケーションとまでは言えないわけです。

 

その一方で情報が多ければ良いという話ではなく、意思決定をするために必要な情報が含まれていることが大切になってきます。

 

このAと同じことを言うにしても、以下の言い方だったらどう思いますか?

 

A: 山下さんに依頼した市場調査の結果ですが、情報がないためまずはグループ内で情報収集の方策をディスカッションしました。その結果、今回はガートナー社が所有する製品群Xの市場動向に関する考察とそのデータを入手することができたので、社内でレビューを行い、データを再度分析しました。セグメントの分類に製品群Xがあり、それらの情報を分析したところ、製品XXXの売り上げが先月大きく伸びていることが確認できました。他の製品についてもそれぞれ確認を行いましたが、弊社の製品XXXのみが売り上げ急伸となっている結果でした。売り上げを押し上げる要素については社内マーケティング部門の石坂さんの協力を得て、プロモーションのスケジュールを確認したところ、2か月前にプロモーションを実施していたことが判明しました。また客センの川田さんともたまたま話をしたところ、プロモーション実施時期からXXXに関する問い合わせが通常の10件程度から200件程度に増えていること聞きました。これらの要素を踏まえると、XXXの売り上げ増はプロモーションの実行が大きなユーザー反響を呼んだことに起因する結果と考えることができます。今後もユーザー反響意識したプロモーションの実行継続をマーケティング部門に依頼し、客センと連携をとって反響度を確認していこうと考えています。それらを最終的に判断し、投資継続および拡大の判断を行っていきます。

 

ですます調やである調の違いはおいといて、必要な情報って何ですか? マーケティング部門の誰の協力を得たからどうだって話ですね。論理的コミュニケーションは明瞭完結であり、必要な情報以外は含める必要がないのです。ガートナーはクレジットとしては非常に大きいのですが、ビジネスの責任をガートナーに押し付けるわけではないので、自分で分析しようが他者を使おうが、単純に「製品群Xの市場を分析したところ」でしかないのです。自責の考え方が少ない人ほどクレジットを使いたがる傾向があるので、尋ねられたら「ガートナーの分析です」って返すだけで良い話になってきます。

 

まあ、これがまた外資の中だとこんな感じで少しかわってく可能性があります。

 

A: 製品XXXの投資継続および拡大の判断について話をします。製品群Xの市場を分析したところ、製品XXXの売り上げが先月大きく伸びていることが確認できました。これは2か月前にプロモーションを行った結果によるもので、弊社への問い合わせが20倍の200件に増えていることからそう推測されます。評価活動自体は継続しますが、現時点では投資拡大を行う方向でいます。ご意見があればお知らせください。

 

頭の良い方は、プロモーションを増やしたからって売り上げが伸びるとは限らないと思うでしょうね。

それは可能性のある結末の1つです。なので正解なのかもしれません。

 

でも、行動をしないと結果は出ない。

これが同じ大企業でも日本企業と外資企業での大きな違いなのです。

 

プロモーションの効果が低かったらプロモーションの仕方を変えれば良いのです。変えれば良いって分かったということがその費用から得られた結果であり、売り上げに貢献できなくても、その方法は今後は採用しないという学習になるので丸々損したわけではないのです。

 

やる・結果を出す・次を考える、この循環がビジネスを自らドライブしていくのであって、リアクティブだと自分でビジネスを動かしていくことができなくなります。これが相対的に見て日本人のとても弱いところです。だからやったもん勝ちみたいな感じになっていくわけです。

 

世界はやったもん勝ちなんですよ。だからやったもん勝ちなんて言葉自体がないですw

行動するのが当たり前なんです。行動した人に対して揶揄なんてしませんw

 

ということでロジカルなんとか、結構大切ですよ。他人に何かを伝えるとき、相手の限られた時間にドカンと伝えるべきことを伝えるのが本質です。ロジカルファシリテーターなら円滑にイベントや会議を進める大切な役割ですし。

 

ところで、外資の例に何か違和感を感じませんでしたか?

これが分かった方は素晴らしいです。答えはあなたの中に収めておいてください。これが外資系でのコミュニケーションの基本です。なんの目的でコミュニケーションしてるんでしたっけ?? これが答えですね。明確ですよ。そしてクロージング部分も明確ですね。

 

アメリカだと若年層でこういうのを学校で学んでくるので、日本も教育を変えていかなきゃいけないですね。