竹刀を握り、私は徐々に歩くペースを上げていく。


「100メートル…」


剣道部に入って2年。


「90メートル…」


あいつが私より強いのは知ってた。


「80メートル…」


いつも上から目線なのが気に入らない。


「70メートル…」


早く追いつけって、無理に決まってんだろ。


「60メートル…」


初戦敗退の私と全国大会出場のあいつ。


「50メートル…」


私が勝つまで口聞かないって。


「40メートル…」


大声で呼んでも完璧に無視しやがって。


「30メートル…」


ふざけんな。


「20メートル…」


無視される方の気持ちも考えろ。


「10メートル…」


傷ついてんだよ!!








途中から全力疾走に近い速度で私はあいつに向かって走っていた。

どんな試合より強く、どんな怒りよりも強く握った竹刀を振る。

型にはまった剣道の構えではなく、がむしゃらにあいつの胴体を薙ぎ払った。

いろんな感情のこもった重たい一本だった。

防具もつけていない、ただ帰宅してるだけのあいつを倒すのは簡単だった。









こんな方法でしか勝てないけど、

こんな状況でしか勝てないけど、

価値のない勝ちだけれども勝ちは勝ち。



顔を上げ、私と目を合わせたあいつに叫ぶ。

絶対に聞こえるように0メートルの距離で叫ぶ。




「好きだボケえええええ!!」
演劇部に入って間もない2年前に書いた台本です。

読んでみたいと要望があったので、紙台本から打ち出してみました。

いや~、懐かしいけれども、よくこれで最高の出来だと思えたものだ…

まぁ、よかったら参考にでもどうぞ。





~登場人物~
トロイ
ガブリエラ
ライアン
チャド
顧問
司会の声

部員…多数(バックで踊る)

~内容~
(幕→閉まっている。舞台の照明→ついている。スポット→消えている。)
(舞台上、ダンスの隊形に並ぶ)

曲①が流れる。
幕が上がり始める。(幕が上がるのを待たない。曲①が流れたら踊りだす。)

ダンス①

(ダンスが終わる。盛り上がる生徒。顧問上手より中央に進む。全員その場に座る。)

顧問「二学期には、高校ダンスコンテストがある。ダンスの振り付けを考えておくこと。特に3年生は最後のダンスコンテストだ!優勝を目指すぞ!」
全員「はい!」

(顧問上手へ退場)
(舞台中央にトロイとガブリエラ。ライアンは舞台下手よりに立つ。)

トロイ「ついに夏休みだ!」(トロイ、その場で立ち上がって)
ガブリエラ「そうね!」(ガブリエラ、その場に立ち上がって)
トロイ「自由の夏だ!遊び放題だ!カラオケ、プール、そして…」(上手側に移動して)
トロイ・ガブリエラ「高校ダンスコンテスト!」(トロイ、上手側から中央に戻ってきて)
(声をそろえて)

トロイ「今回はどんな振付にしようか?」
ガブリエラ「そうね…みんなの意見を聞いてくるわ!」
(ガブリエラ、部員に声をかけに行く。)
(ライアン、舞台上手に返ろうとする。それに気づいてトロイがライアンの肩に手をかける。)

トロイ「おい、ライアン!」(客席のほうに向くことを意識して)
ライアン「うん?」(客席のほうに向くことを意識して)

トロイ「お前も一緒に振付を考えようよ。みんなで考えた方が、絶対にいいアイデアが浮かぶぞ。」(客席のほうに向くことを意識して)
ライアン「ごめん、俺、今日疲れてるから帰るわ。」(客席のほうに向くことを意識して)
トロイ「そうか…じゃあまた連絡するよ。」(客席のほうに向くことを意識して)
(ライアンが舞台上手に消えていくのを心配そうに見送る。)
(トロイの周りにみんなが集まって来て、トロイを中心に話し始める。)

暗転



(ダンス②の隊形に並ぶ→舞台の照明がつく)

ガブリエラ「さあ、みんなでダンスの練習をしましょう!」
(曲②(8秒)が流れる。)

ダンス②

(トロイ、ガブリエラを残して、残りの生徒は左右に分かれて下がる。)

トロイ「だんだんうまくなってきたな!」
ガブリエラ「本当ね!これなら優勝も間違えないわ!」

(ライアン、舞台下手から登場)

ライアン「ちょっと待てよ。」
ガブリエラ「ライアン、しばらく練習に来なかったから、みんな心配してたのよ。」(今いる場所から動かずに)
トロイ「ライアン、振付が決まったから練習しよう。」(今いる場所から動かずに)

(ライアンはトロイとガブリエラに近づいて)
ライアン「俺はお前たちの考えたダンスでは踊らない!」
トロイ「どういうことだ?」
ライアン「お前の考えたダンスで優勝なんてできない。俺の考えたダンスで踊ってもらう。」
(チャド、ライアンに近づいて)
チャド「何を言ってるんだライアン。お前一人だけで何ができるっていうんだ。」
ライアン「それはどうかな?」(ライアン、舞台中央に立つ。)
ライアン「俺のダンスを踊りたいやつこっちにこいよ。」

(最初のグループから、ライアン組が出てくる。)
(曲③(8秒)が流れる。)

ダンス③

(ライアン、舞台下手側に進みながら)
ライアン「どうだい、俺の振付。迫力もリズムも完璧だろ!ダンスコンテストの振付はこれで決まりだ!」

(みんなの困った様子。それを見てガブリエラ)

ガブリエラ「ライアン、あなたの振付素敵だわ。あなたの振付なら、きっと優勝できると思うわ。」
チャド「ちょっと待ってくれよ、ガブリエラ!俺は絶対嫌だぜ!みんなで考えたダンスだろ?そんな簡単にあきらめていいのか?」
トロイ「チャド、落ち着けよ。」
チャド「これが落ち着いていられるか!俺はごめんだ!」
(チャド舞台上手に消える。)
(ライアン、チャドを見送って)
ライアン「ふん!何だ、あんなやつ。嫌な奴はやめればいいんだ。みんな、行くぞ!」
(ライアンとライアン組は舞台下手に消える。)
(トロイ、ガブリエラの落ち込んだ様子を見つつ)
トロイ「ガブリエラ、本当にあきらめていいのか?あんなに一生懸命ダンスの振付を考えてたのに…」
ガブリエラ「いいのよ、私の事なら…。今はダンス部をひとつにまとめることの方が大事だわ!だから、チャドのことが心配。チャドを探しに行きましょう!」
トロイ「うん!」
(トロイ、ガブリエラ、残りの生徒は舞台上手に消える。)

暗転



(舞台中央に机・椅子。チャドは椅子に座り、机に伏せている。準備ができたら照明をつける。)
(トロイ、ガブリエラが舞台上手から登場。)

トロイ「チャド、ちょっといいか?」
チャド「なんだよ。」(チャドはトロイやガブリエラと目を合わせない。)
トロイ「ダンスの事で話が合って…」
チャド「あいつの自己中ダンスなんて、俺は踊らないぞ!」
ガブリエラ「チャドお願い!今は、みんなが1つになるときよ!」
チャド「1つになりたいんなら、俺抜きでやれよ。」
(チャド、椅子から立ち上がり、舞台中央に進む。トロイ、ガブリエラには背中を向けたまま。)

トロイ「チャド…」
チャド「話はそれだけか?」
ガブリエラ「チャド、あなた一人が欠けても、ダンス部は1つになれないの。」
トロイ「今年が俺たちの最後のダンスコンテストなんだ!俺はお前と一緒に踊りたい!」
(ここでライアンが舞台下手に立つ。)

チャド「…」
トロイ「振付を誰が考えたかなんて関係ない。みんなで心を1つにして踊ることが大切なんだ!チャド、一緒に踊ろう!」

(じっくりためてから次の台詞を言う。くれぐれも慌てない。)

チャド「トロイ…ガブリエラ…俺…踊るよ!」
トロイ・ガブリエラ「チャド!」
トロイ「一緒に頑張ろう!」
チャド「おお!」

(ガブリエラ、舞台下手に立つライアンに気づく。)
ガブリエラ「ライアン…」
(トロイもライアンに気づく。)
トロイ「ライアン…」

(じっくりためてから次の台詞を言う。くれぐれも慌てない。)

ライアン「トロイ、ガブリエラ…君たちの言葉、胸に響いたよ!俺が悪かった…。君たちの考えた振付で踊ろう!」
ガブリエラ「ううん、あなたの考えた振付で踊りましょう!」
ライアン「いや、君たちの振付で」
ガブリエラ「いえ、あなたので…」
チャド「ストップ!もう一度、最初から考えればいいだろ。」
トロイ「そうだ、それがいい。」
ガブリエラ「ええ」
ライアン「みんな、ありがとう。」
チャド「そうと決まれば、早くみんなを集めよう!コンテストまであまり時間がないぞ!」

暗転



(中幕前に4人並ぶ→スポット点灯→ガブリエラの台詞)
ガブリエラ「いよいよ本番ね…」
チャド「緊張するな…」
ライアン「ちゃんと踊れるかな?」
トロイ「あんなに練習したんだ!きっと大丈夫だ!」

(スポット消える。中幕内に4人は消える。)

顧問「続いて、ウエスト高校の発表です。」(舞台照明、消えたまま。)
トロイ「みんな行くぞ!」(舞台照明、消えたまま。)
みんな「オー!」(舞台照明、消えたまま。)

曲④を流し、照明をつけ、中幕を開く。

ダンス④


(ダンスが終わると、舞台袖にはけ、照明消える→曲④のボリュームを下げつつ消す)
(中幕を閉め、中幕後ろに出演者整列。)

曲⑤をかける→照明がつく→中幕開ける→出演者前に出てきて「ありがとうございました!」→幕が下がる。
(幕が下がるにつれて、ボリュームをあげていく。)


~終わり~
どうも、YOUXです!

明日は演劇部で企画している他校さんとの合同練習!

なのですが、まさかの放送部の講座とかぶってしまいました(笑)


放送部の講座のほうが先に決まっていたので、そちらに行きます!

あんまり機会ないしね!



ただ…




遠いんだよ……




もっと近場でやってほしいけど、ここは微妙に田舎だし、やっぱ大きめのイベントは都会に出ないといけないんだよね…





まぁ、せっかくなんで、思いっきり他校さんと話して、自分の課題である滑舌とアナウンスでペチャクチャなるのを直してきたいと思います!

まぁ、一日二日でどうなるもんじゃないですけどね(笑)