「良書の読書習慣」 


 読書は、決して思索が進まない時だけに限定しなくともよい。

 

 読書は、それが良書であるならば、我々に良き精神波動を与える。その良き精神波動とは、日常生活の中では忘れ去られやすいものであり、持続は難しい。

 

 日常生活においても自分の内部からくる良き精神波動を持続できる人は相当な聖人であろう。そんな人はまずこの世にはごく僅かしかいないのではないか。

 

 そういう例外的な人を除けば、普通は、心に安らぎを得て、真理を日常生活に実践してゆくためには、たえず外部から良き精神波動を吸収し、自分の心の波動を高め、調整しておく必要が出てくる。

 

 人の心は絶えず揺れ動き、ちょっとしたことで煩悩にふりまわされるものだから、昨日悟ったような気になったからといって、三日後も同じく悟っているかといえば、必ずしもそうではない。

 

 それは、部屋のホコリを一日掃除したからそれから後はずっときれいなままかといったらそうではないのと同じだ。

 

 我々の心は、倦まず弛まず常に掃除をして心の波動を高めておく必要があるのである。

 

 その意味において、良書を習慣的に読むことは、心の境地の維持向上に非常に大切なのである。

 

 

 

 

 

 (by 天川貴之)