【なんだ】萌え物怪録絵巻【こいつらは】
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しゅのぼん

今日は渋谷に用事があって行った。

もちろんヤツもついてくる。
はじめてのる電車に
「この箱はなんで動いてるんじゃ!!?」
「ドアが勝手に…奇怪じゃ…」
とうるさかった。

電車の中でふととなりを見たらしゅのぼんがいた。
赤い。
そしてひどい形相でこっちを睨んでくる。
いずなに聞いてみると、
どうやらオレが封印をといてしまった妖怪の一人らしい。

明大前から渋谷に着くまでずっとこちらを凝視していたため
とてもテンションが下がった。

渋谷に着くと真っ先にエスパスの中に入って行った。
彼は妖怪のくせにパチンコやスロットをするのか…。

憑依されちゃいました

家についてからはもう夜あったことなど忘れていた。
なぜなら大学に提出するレポートの期限に追われていたからだ。
オレが試行錯誤しながキーボードを叩いていると、

「これはなにをしているんじゃ!?」

「うわッ!」

おもいっきりビビって声の方向を見ると、
昨日の夜見た変な女が立っている。

「おままま、お前またkてええkyぎh…にに!!!」
「何を言っておる?わしならずっと近くにいたではないか」
「ス、ストーカカカカ…!?」
「なんじゃそれは?わしはお主に憑依したんじゃぞ」

憑依…!?

まさかこいつ本当に幽霊なのか?
よく考えたらこんないきなりオレの部屋に現れるはずない。
昨日はよく見なかったけどなんか火の玉みたいのも浮いてるし、
足がない…!!!
でも別に怖くはなかった、だって頭に巻いてる三角布に「萌」って
書いてあるんだぜ…

もうオレは半分開きなおっていた
タバコに火をつけて、
「んで、幽霊さんがなんでわざわざオレに?」
「お前が巻物の封印を解いたのだろう。ほらそれじゃ!」

彼女の指差した先には昨日叔父さんの蔵から勝手に拝借した巻物が…
そういえば持って帰ってきたものの、結局あれから全く見ていない
「この巻物が一体…」手にとって、中を見てみると

ない!!

あれほどあったたくさんの妖怪の絵がすべてなくなっているのだ!!
どこを見ても真っ白だ
「あ…えぇあうあうあうあ~!!??」
素っ頓狂な声を出しているオレの横で
「もうそこに封印されていた数々の妖怪たちは解放されたのじゃ」
「オレが…したの?」
「そうじゃ」
「オレが…いけないの」
「そうじゃ」
「ああぁぁあぁああああぁぁぁぁああぁぁああああぁぁあ!!!!」
「うるさい!なに一人で叫んでるの!!」
部屋のドアをあけた、かーちゃんに怒鳴られた…

「お前オレにしか見えてないのか…」
「そうだのう。だからわしはお主に憑依したんじゃよ。憑依するといっても誰でもいいわけじゃないんじゃ、ある程度霊力を持っているものでなければならぬ。憑依した幽霊は微弱ながら宿主の霊力を糧にこうして姿を現しておる」
「オレ…今までそーゆうもん見た事ないから霊感とかはたぶん…」
「いや、あの蔵にお主が入った瞬間わしは感じたぞ」
「ってかあの、憑依とかはマジ無理なんだけど。どっか行ってくれない?」

「却下」

「いや、却下って…」

この瞬間、オレにはプライベートがなくなった

「お前…なんで封印なんかされてたの…?」
「それがわしにも記憶がないのじゃ…ただ自分の名前だかは覚えている」
「名前…?」
「わしは…いずなと呼ばれていた」

邂逅

うとうとし始めたころ何かの声で目が覚めた
「…い」

「むにゃむにゃ…」

「おい!起きろ!」

ビクッとして体を起こすと…暗闇の中になんかいる

電気をつけて見ると

びっくりした!
つーか軽くワラタw

幽霊だw
しかも漫画とかでよくあるコテコテな女幽霊
それがオレの方をジッと見て立って(正確には足が無いから立ってない)いる

「こ…こんばんわ」
寝ぼけ眼のオレはとりあえず挨拶した
「よくぞ私の封印をといてくれたな」
「ハァ!?」
「そちが今日、あの忌々しき巻物の封印をといてくれたのだろ」
「……」
「あれのおかげで私は長き眠りから覚めることができたのじゃ」
「………」
「ふふっ声もでないか、幽霊を眼前にしたのじゃ…無理もない」
「…………ヤヴァイ!キ○ガイだ!!
キ○ガイが部屋の中に入ってきた!!幽霊?ありえねー!」
オレは仰天した。
よく見てみると頭のあの三角のよくわからない布には、
一文字だけこう書かれている



「も、もももッッ萌えェエェ!?」
語尾のエェェはむしろ

工工エエエェェェ(゚Д゚;)ェェェエエエ工工


「人間よ、わしの姿が見えるということは、そちは
多少の法力があるようじゃの。おもしろい」

よく見ると片手に刀みたいのを持っている
「あぁ最近物騒な事件多いからなぁ…こんなところでオレは
こんなキ○ガイに殺されるのか…」

そう思った瞬間、
「何時だと思ってるのよ!!!」
隣の部屋で寝ていた母が襖をおもいきりあけた
「かーちゃん!ヤヴァイよ!こいつ…」
「何がやばいって!?こいつ?誰もいないじゃない!」
「あ…あれ?」
「また寝ぼけてたんでしょ!静かに寝ないと絞め殺すよ!!」
ピシャリ と襖がしめられた

「…夢…だったのか?」

その日からすべてははじまった…

オレは霊感など強いほうではない…
自慢ではないのだが、そのような類のものは一回も見た事が無い

話は一週間ほど前に遡る
そう…その日は神社をやっている親戚の所へ行って
なにもなく一日を終えるはずであった…
あれと出会わなければ…

ひさしぶりに会った叔父に簡単な挨拶をすませ、
母は叔父と何か話しこみだしたのでオレは一人で神社の中をブラつく事にした
神社の中は子供の頃に何回か来た記憶があるが曖昧で余り覚えてない
こういう昔の雰囲気がある建物は結構好きなので
あちこちを一人で探索していた

その時、ふと本尊の外にある小さな蔵に目がとまった
「なにかおもしろいものでもあるかもしれない」
オレはちょっくらお邪魔させてもらうことにした

蔵の中は湿っていてとても黴臭い
わけのわからない法具や蔵書がたくさんあるだけだ
「つまんねーなぁ…大したもんはないや」
そう思って蔵を出ようとした時、足元に何かが転がってきた

小さな巻物だった

見ると張ってあったお札が剥がれてしまっている
「なんだこりゃ!?」
ふいに好奇心をかきたてられ、中をのぞいてみた
すると…たくさんの妖怪みたいなものが描かれている
「おもしろいなぁ~昔のなんかの文献かな?」
オレは妖怪とかが結構好きなので広げてゆっくり見始めた
その時!
「どこにいるのヨーヘイ!?」
母の声だ
「やべッ早く出ないと!」
一瞬巻物を棚の上に置いたが、後でじっくり見たいと思い、
ちょっくら拝借することにした。

「やっと…出れた…」

「えッ!?」
何かの声が聞こえた気がしたがふりかえっても何もいない
オレは不気味に感じ早々その場を後にした

母の話によると、どうやら今日はもう遅いしここに泊まるらしい
いつもなら起きてる時間だったが、体の疲れもあり
オレは畳部屋の寝室で床に就いた…