今年、私の祖母は他界し五十回忌を迎えます。
もちろん私は会ったことは無くモノクロ写真でしか見たことはありません。
私が知っている祖母の事は、母が小学5年生の時に癌で亡くなったと言うことだけ。
母は本家に連絡し五十回忌の法事を確認したところ
「今は五十回忌するところは少ないみたいですよ。お金も要るし、、。予定はありません。」
と五十回忌の法事はしない事を告げられた。
(母の兄は亡くなっており、息子が跡を継いでいます。息子は30代で祖母を知る者は本家にはいません)
母は納得出来ず他の兄弟に相談したところ
「本家の者が「しない」と、言っているのに出て行った者が口出しする問題じゃないよ。」
とバッサリダメ出しを受けました。
母は泣きながら私に電話をかけてきた。
「母親の五十回忌をしてあげたい。
小学5年生の時に癌で亡くなって、親孝行が全く出来なかった。
自分が親になって子供に親孝行をしてもらう度に、自分は全く親孝行が出来なかった、母に親孝行したかったと思ってしまう。
だから、せめて五十回忌くらいしてあげたい。
それくらいしか出来る事がないから。」
私は、電話越しに泣いている母の姿を想像し思った。
母と祖母が一緒に過ごしたのは11年間。
祖母が他界し49年。
一緒に過ごした時間よりも、離れて過ごした時間の方が長い。
なのに母は、祖母(母)を想い涙を流している。
母の存在はどんなに年を老いても、どんなに離れていても偉大なんだなぁ、と。
そして、死後50年(49年)経っても想ってくれる人がいて、涙を流してもらえる祖母は幸せだなぁ、と。
五十回忌の法事はしてあげれなかったけど、
母の想いは祖母へ届いていると思います。