プロに依頼するとき、ヒアリングをどこまで掘り下げてくれるか?は大事な注目ポイントです。

プロ……の中でも、専門職の方に依頼する時は、特にその方の専門性が細分化した中で高ければ高いほど、「その部分」以外はどこまでできるか?


たとえば。

イメージビジュアルを作ってもらう時。


なんのために、そのコンテンツを使うのか?
どの程度の目的があるのか。



雑誌や本の例えでいえば、表紙を依頼する時。

中身はもちろんなんだけど、それを「誰」に買って欲しいのか?




刺さるポイントは、千差万別。


「あー、女性向けね。オッケー」

くらいで作っても、女性ったって、あなた、好みやツボは多様なわけじゃないですか。

どんな女性なの?

そこを、依頼側がきちんと掴めてない時。
たいしてヒアリングせず、安請け合いで、簡便にクリエイターが取り組もうとするのはアウトだとわたしは思ってます。


依頼側の狙いの本当のところ。
クリエイターが持ってるフィルター。
その両方の合致点で、専門性の部分……それはセンスだったり、技術だったり……を発揮してもらわないと、依頼側の目的とズレたターゲットに訴求してしまう可能性がある。

誰でもよくて、売れさえすればいいなら、まあいいんだけど。



提供するものの良さを本当にわかってくれる人は、どんな人か?

最悪なのはそこと外れた時だよなー、と広告制作をしていても、気にしてるところです。



営業の話にもなってくるけど、外れた時何が起こるか?


リピートしてくれない可能性が高いよね?



常に新規を作り続ける、それは当たり前だし、理想なんだけど、新規“だけ”作り続けるってなると、キツイんじゃなかろうか。

延々と労が掛かる。


愛用者、リピーターと、新規のバランスも、大切なポイントだと思うんですよ。



広い意味で、コンテンツメーカーな同業社が、個人自営の人へサービスを提供するとき、そこをいい加減に、時にウソでもって、「ラクさせる」ことばかり(同時にそれは自分もラクしてると思う)メリットにしてるのを見ると、無性に腹が立ってくる。


作ったらおしまいか?


安くない価格で、本当の狙いを達成させず、自転車操業的にいつもいつも新規集客に追われるサイクルを生み出す。

次々とそれでも、自分とこには依頼が来る。


専門性の部分だけが魅力で、考え方や知識を持たない顧客を同じく新規だけでとっかえひっかえできるから、それでいいのかもしれない。


専門性の高いプロだから、それでもいいとも言えるかも知れない。
求められる部分は達成して、対価を得てるから。
やることはやったのだから、いい。

そんな全体のことは、気付いてすらいないかもしれない。



しかし、その全体のことを含めて取り組もうとしてる人に対して

「そんな面倒なこと、しなくていいんじゃない?」
「うちはそんなの、必要ないですよ。
お任せくたされば、いいだけです!」

って、売るのは、ちょっと酷くない?


本当に無駄なら、やらなくていいと伝えてもいい。誠実さとして。

やらなくていい根拠をハッキリと示せ。



やらなくていい理由が、そこまで含めてヒアリングして、カタチにするならいいけど。

そーじゃないんだもん。

自分の範囲のことだけ見て、「要らない」ものだからやらなくていいって、そりゃ、そうだろうけど、全体に取り組まなきゃならない依頼側にとっては「要る」と思うんだ。


ざっくりしたあいまいなイメージで、見た目だけ整えればいいじゃん?って、そのスタンスが嫌。


下準備は、手間なこともある。
頭痛がするくらい、考えなきゃならないかもしれない。

「考えない」で、感覚だけでやって、ものすごい成果につながる人もいるので、必ず全員必要だとは言わないけど……


自分のやろうとしてることの、狙いすらわかってない人に、考える機会を奪うのは、罪なんじゃないのか?


だからずーっと、迷って、困って、右往左往してるんじゃないの???


一度とことん考えて、軸ができれば、右往左往は減る。
絶対減る。

状況が変わって、練り直す必要が出ることも当然あるけど、ずーっと右往左往し続けることはなくなる。


クライアントの大企業ですら、狙いがブレブレで、ずーっと迷走してるとこもある。
こちらがどんだけヒアリングしても、方針提案しても、大きな組織の中のそれぞれのセクションの、それぞれの思惑(往々にしてそれは、消費者にはなんの関係もない内輪の利権だったりする)で、窓口の人は振り回されてるだけ、なんてこともある。


大企業だから、体力(資金)でなんとか回してるけど、個人で右往左往し続けるだけの体力って……特に初期のうちって、あり得ない。

個人相手に仕事するなら、そこまで一緒に考えないと不誠実だ。


個人同士は、自分もそうだからわかることもあるけど、組織が個人相手にサービスするなら、話は違ってくることが多い。



昨今の個人起業ブームで、マーケットが広がった。
企業同士でやってたことを、個人にも広げて利益を上げる流れがある。


自費出版にしろ、
デザインにしろ、
プログラムにしろ、
なにがしかの製作にしろ、
情報や基礎知識格差が、お金になる。


なるからこそ、プロだからこそ、誠実さを優先しないと……時に、「今はそこじゃない」と伝え、断ることもメニューに持たないと。


お金さえもらえれば、それでいいのかな。
いいのか? 資本主義社会だから?


価格が、超良心的で、
「パッとやれるから、このくらいでいいですよ」
ならまだしも、
「プロでごさい」
と個人が出すには大きな大きな金額で受けるなら、やっぱダメなんじゃないの? ねえ?



同時に。
依頼側。


依頼側も、自分の名前を看板に、人からお金をいただくならば、下準備の「考える」手間を惜しんじゃダメだ。


ずーっと右往左往しますか?