Twitterなどで公言している通り、私はDQ5に対して相当拗らせており、特に久美沙織の小説が好き過ぎてAmazonなんて存在しない頃、当時もう見かけなくなってたハードカバー版を探すべく、神奈川県内の小さい本屋をしらみつぶしに探す旅に出たほどでした。

なので、「リュカ」という名前に一抹の不安を感じていて、多分どんな展開になろうとも両手放しで受け入れることはできないと、かなりハードルを下げた状態で観に行きました。


初見、ドラクエ5としての物語をなぞる部分

尺の関係でスキップ仕方なしと思っていたし、脳内補完もできるから大概のショートカットは目を瞑ろうとしていました。


子供時代のリュカは生き生きとしていて、父を尊敬し、子供らしく瑞々しかった。

(思えば、子供時代スキップしてたから[彼]ではなかったのかもしれない)

しかし、大人になった途端、「リュカ」のキャラクターが鼻に付くようになる。

自分の意思で選ぶことなく、責任感がなく行き当たりばったりその辺にいるしょうもない男だった。

「マジ」、「ヤバイ」など、現代っぽい言葉を話し、自分に運命付られた試練を「クエスト」と呼びまるでタスクのような感覚で話すのが本当に許せなかった。


魔物使いはあの世界では職業として、存在しないはずなのに、しれっと紹介されていたし、天空人のセール状態。

てっとり早く特別感を出すために必要だったからなのか、リュカまで天空人にするのは笑ける。

リュカ・エル・ケル・グランバニア、グランバニア出てこないけどね!

このウグイスパン、ウグイス入ってねーぞ!キエエエ!!(混乱)


っとイラつき最高潮、気持ちがむちゃくちゃになっていたところで、あのミルドラース(仮)ですよ!


スンッと怒りが収まりました。

何故なら、この物語が、リュカが[彼]アラサーサラリーマンの物だと分かったから。

子供時代スキップしたのも、言葉遣いが現代風なのも、サンタローズが雪に閉ざされているのも、グランバニアに行かなかったのも、[彼]が選ばなかったから。

グランバニアの王子様設定も娘もピエールも課金オプションだったのでしょう。

ビアンカの武士の情け発言も、[彼]の脳内の語彙からAIが自動生成したセリフとかなのかな。

(武士……ダーマの神殿にご用意あったかしら?)

仕事帰りに新宿のVR施設に寄ったんだもの、終電までそんなに時間ないよね!知らんけど。


なので、

[彼]には[彼]のドラクエ、わたしには私のドラクエがある、みんな違ってみんないい、というみすずな気持ちに落ち着いたのでした。

ある意味、自分のドラクエを汚されなかったという意味で、私にとってあの残りの戦慄の10分は必要でした。


ちょい脱線しますが、基本的にドラクエは一本道なストーリーですが、選択肢によって話が自動生成されるというのも面白いな、と思いました。

デトロイトビカムヒューマンみたいに)


グランバニアに行ったら、豪勢にメイドや助産師によるセレブ出産だったのに、野郎しかいない掘っ建て小屋で出産、ビアンカ……哀れすぎる。


にしても、マーサがファイヤーウォールで、スラリンがアンチウイルスソフトだったとは。

マーサさん、魔界の門だけではなく、現実との門も守っていたとは流石です。




そして懲りずに2回目行きました。

オチを知った上で、行くとまた違う風景が見えて来ました。

子供が生まれたあたりからでしょうか、リュカ[彼]から軽薄さや現代風な所が無くなっていっていることに気がつきました。

自らの意思で、この地を踏み[彼]がリュカになっていってるんだ、と。

そして、エンディングでリュカになった[彼]が現実へと帰るシーンは、ゲームを終えねばならないあの何ともいえないうら寂しさが漂っていて、嫌いではないな、と思いました。


良かったポイント、私的MVPはゲマ。

ゲマの声、造形はイメージ通りだった。

自らの身を滅ぼしてまで魔界の門を開けようとする動機がイマイチよくわからなかったけど、ウイルスに喰われたミルドラースによって、ゲマもまた侵されたのかもしれない。

手が本当に色っぽくて好き!!

例のリュカを美しいと撫で回すシーンは倒錯的でクラクラした、ここだけに1800円払ってもいい!


5の嫁の扱いについては宗教というか、センシティブなものなので、どう料理するかと思ってましたが、どちらの嫁も最高に良かった。


リーマンはビアンカ派なんだね、何度も選んでしまうの、分かるよ。。。


あと、ドラクエの小説読んでないとリュカという名前は付けないと思うのですが、このリーマン、子供の時に久美さんの小説読んだのだ、と思うと胸熱ですね。

私は中学生の頃、弟(現在アラサー)にドラクエ5の小説読ませたな、と懐かしく思い出しました。


美しい映像で大好きなキャラが動いて喋るのは嬉しかったです。

もう一度くらい観に行くかもしれません。