Adios,NewYork
ニューヨークの最後の夜・・
明日は飛行機で最終目的地のアルゼンチンに到着だ
ニューヨーク経由アルゼンチン行き
アルゼンチン
全く想像のつかない世界
ニューヨークは容易く想像することが出来た、そして想像の範疇だった。
一言でいえば映画のセットを刳り抜いたような街だ。
勿論2日間の滞在で何が解ると言われればそうだが、観光客的にはそう映った。
が、アルゼンチンはどうだ?
無謀にも予備知識など殆ど無い
全く無いに等しい状態で日本を出てしまった
馬鹿にも程があると到着前夜に後悔する
まあいいや、どうにかなるや
ニューヨークに着いてから変な自信がついてしまった
これから起こる数々の出来事を未来予知出来る能力があれば、こんな事絶対思わなかったんだろうけど・・・
World trade Center
ニューヨーク滞在一日目はこうして更けていった・・・・・
朝になると留学期間の職員が部屋まで迎えに来てくれた
自分の覚悟が決まっていない時に、つまり朝一番に英語を話さなければいけない状況にあるはずなのに、それを認識していないと全く会話が成立しなくなる
茶色の顎鬚を擦りながらにっこりと
『Hey, you guys slept well? 』 (よく寝れたのかい?)
意味がわからず
『えっ、スリッパ?』
頭の中が真っ白になってしまったとはこのことだ、今は必死に自分の状況を理解しよう。
チェックアウトの手続きをしている職員が昨日のペイパービューのことに気付くんだろうなと思い、内心は少し焦っていたが、堂々としていようと決めた。
彼はその事については触れなかった、いや触れないでくれたのだろう・・・
彼が勤め、僕らの留学派遣先を統括している機関の本部がニューヨークにある
ホテルから程近い所に在るので、散歩がてらに行かないかと誘われた
知らない街を歩いたり、観たり、嗅いだり、触れるというのはメンタルの健康にいい。 ニューヨーク特有の蒸気を軽やかなステップでかわし、心地よい外気の冷たさに触れながら歩く
ポルノを観たことを咎めなかったからか、窮屈な飛行機やホテルからやっと解放されたからか、とにかく気分が良かった・・・・
本部ビル到着
まず圧倒的な外観に驚く、このビル全てがこの留学機関で占領されていると思うと世界一のボランティア団体というのも頷ける
それは勘違いだったみたいだ、ビル内のいくつかのフロアを借りていたらしい
そのフロアに入ると職員は個別の事務ブース中で黙々と仕事をこなしていた、大して面白くもなかったので覚えていないが、そこから見る景色は素晴らしかった
近くには今はなき【World trade Center】や【Empire State Building】が立ち並び世界の中心を確信させる圧倒的なリアリティーが其処にはあった
悲惨なテロがなければ、今も世界の中心として煌々と輝いていただろう
今其処には悲しみを忘れない墓標(グラウンド・ゼロ)として奉ってあるが、当時の僕には、いや誰でもあんなテロを想像できただろうか?
I am in the U.S.A
11年前、あの日確かに其処にいた。
ホテルに到着すると、泥のように眠りに落ちた
目覚めると深夜過ぎだった
奇妙なことが起こった、ここが何処だか思い出せないのだ
不快な空気が纏わりつく、気持ち悪くなり廊下に出てみる
自動販売機をみつけ、ジュースを買おうとする
お金を入れようとする 100円が入らない、ここはアメリカだ
そしてこれが現実なんだと我にかえった
ホテルの窓から外を覗くと映画のワンシーンを切り取ったような裏路地が目に飛び込んだ
トタンの壁一面には落書き
ここで、フードを深く被ったプッシャーが出てこれば完璧なのにと期待して待つ
5、6分待ったが誰も出てこなかった、午前2時過ぎだ
時差ぼけのせいで完璧に覚醒してしまうと、ホテルの有料ポルノチャンネルをみつけた
最初は躊躇したが、同室の留学生と妙なテンションで鑑賞会が始まった
ポルノ鑑賞会が始まると、誰ともなく異文化交流について語りだした
『最低でも彼女は欲しいよな』とか『絶対外国人で童貞を捨てる』という他愛もない会話だった
ポルノを観ながら、(こいつらテニスでもやるようにFUCKしやがるなー)と思いながら妄想にふけった
あっちでも彼女出来るかなあ?
ここは最終到着地ではないのだ
