会社の帰り。
つり革をもち、カバンは棚の上。
しばらくグレート・ギャツビー読んでいた。

斜め前に座っていたお姉さんに声をかけられる。
「上から水のようなものが、垂れてくるのですけども。」

心当たりがない。

あらあら、なぜか僕のカバンから液体が。
「水ですよね。へんな薬品とかじゃないですよね。」

いやー、水なんて僕のカバンには入ってません。
ましてや薬品など入ってません。

カバンのなかをまさぐると

ファブリーズ。

「ごめんなさい。ファブリーズの口がゆるんでました。」

お姉さんは優しかった。
「ファブリーズでよかった。これで今日はファブリーズしなくていいや。」

本当にごめんなさい。しかも優しい言葉をありがとうございました。

本当にごめんなさいね。